米国株式市場で同業界最大手として称賛されるエヌビディアは、ハードウェアおよびデータセンターソリューションでよく知られているが、同社の技術者たちは消費者向けの革新的な技術開発にも力を注いでいる。その1つが、2次元の入力やテキストから3D画像を生成するEdifyという機能だ。Edifyを使えば、車両、アニメキャラクター、快適なソファなど、あらゆる物に命を吹き込むことができる。
このプラットフォームは、ゲームやバーチャルリアリティ(VR)、拡張現実(AR)のプロジェクト、さらにはさまざまな小売分野のアプリケーションでも活用されている。また、同社はShutterstock(ストックフォトサービス企業)と協力し、同社のデータを一部使用してモデルの開発を行ったことでも注目されている。
内部の仕組み
Nvidia Edifyは「quad mesh(クワッドメッシュ)」モデルを採用しており、3Dオブジェクトを四角形または四辺形のポリゴンで構成している。これにより、オブジェクトの自然なエッジの流れが可能となり、細分化モデリングやアニメーションのためのリギング(骨組み設定)の柔軟性が向上する。このプロセスでは、拡散モデルを用いてRGB値と表面の輪郭を合成する。また、光の条件を考慮しながら3D空間で表面を定義する「物理ベースのレンダリングマテリアル(PBRマテリアル)」を使用している。ベースカラー、粗さ、マッピングといった属性を使用して、プログラムは3Dオブジェクトに対する自然光の影響をシミュレートする。
専門家たちは、Nvidia Edifyが「Nvidia NIM(Nvidia Inference Microservices)」という仕組みを通じて展開されていると指摘している。NIMはNvidia AIエンタープライズプラットフォームの一部であり、コンテナのオーケストレーションやKubernetesクラスターと連携するためのさまざまなAPIツールを提供している。
さらに、Nvidia AIエンタープライズにはGPUアクセラレーテッドライブラリ、「NGCカタログ」(展開用ツール集)、ワークロード管理およびコンテナ操作を支援する「ベースコマンドマネージャー」が含まれている。エンタープライズクライアントには、さらにNvidiaネットワークオペレーター、AIワークフローツール、各種インフラストラクチャコンポーネントも提供されている。