欧州

2024.11.27 11:30

ロシア軍が駐機中のMiG-29戦闘機をまた破壊か 偵察ドローンと弾道ミサイルの連携で

ウクライナ空軍のMiG-29戦闘機。2017年7月、首都キーウ近郊の航空基地(E.Kryzhanivskyi / Shutterstock.com)

ウクライナ空軍のMiG-29戦闘機。2017年7月、首都キーウ近郊の航空基地(E.Kryzhanivskyi / Shutterstock.com)

ロシア軍は今年の夏、ウクライナ軍の航空基地を不敵にも3日連続で攻撃し、ウクライナ空軍の貴重な戦闘機少なくとも3機を撃破した。疲弊しているウクライナ空軍にとって大きな打撃になった。

数カ月後、それはまた起こった。

22日かその少し前、ウクライナ南東部の前線から80kmほど離れたドニプロペトロウシク州ドニプロ近郊のアビアトルシケ・ドニプロ航空基地の上空に、ロシア軍の偵察ドローン(無人機)が妨害も受けず飛来した。ドニプロは先週、ロシアの実験段階とされるオレシュニク弾道ミサイルで攻撃された都市だ。

偵察ドローンは、ウクライナ空軍のMiG-29戦闘機が収容されていたとみられる格納庫に狙いを定めた。数分後、イスカンデル弾道ミサイルが猛スピードで飛来し、格納庫のすぐ上で爆発した(編集注:映像から空中炸裂弾頭型が使用されたとみられている)。中のMiG-29は撃破された可能性が高い。
このミサイル攻撃は、不気味にも今夏の一連の攻撃を想起させる。

7月1日、ロシア軍の偵察ドローンは、ロシアとの国境から150kmほど離れたウクライナ中部ポルタバ州ミルホロド郊外のミルホロド航空基地で、ウクライナ空軍のSu-27戦闘機6機が白昼堂々と駐機しているのを発見した。イスカンデルが撃ち込まれ、うち少なくとも2機が撃破された

翌日、同じようなことが起こった。ロシア軍の偵察ドローンは、ミルホロド航空基地のすぐ東にあり、ロシアとの国境から同じく150kmかそこらのポルタバ航空基地の上空を旋回飛行した。数時間の監視後、やはりイスカンデルが撃ち込まれ、ウクライナ陸軍のMi-24攻撃ヘリコプター1機に少なくとも損傷を与えた

さらに7月3日、ロシア軍は今度はウクライナ南部の前線から70kmほどしか離れていないドニプロペトロウシク州クリビーリフ郊外のドルヒンツェベ航空基地を攻撃した。同じくドローンで偵察し、イスカンデルを最大3発撃ち込んだ。

ドローンの映像では2機の撃破が確認できるようだったが、1機はSu-25攻撃機のデコイ(おとり)だった。もう1機は就役しているMiG-29の実機だった。

Su-25のほうがおとりだったと判断できるのは、2023年11月にドルヒンツェベ航空基地で被弾した別のおとりSu-25と外形が一致したためだ。この攻撃を含め、ウクライナ軍の航空基地を狙った一連の攻撃では、MiG-29が2機、Su-25が1機撃破された。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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