伝説のF1ドライバーの素顔に迫る、『セナ』がいよいよネットフリックスで配信

1992年7月7日、英シルバーストーン・サーキットで行われたテストに参加するマクラーレンのアイルトン・セナ(Mike Hewitt/Getty Images)

1992年7月7日、英シルバーストーン・サーキットで行われたテストに参加するマクラーレンのアイルトン・セナ(Mike Hewitt/Getty Images)

レース中の事故で30年前にこの世を去った伝説のF1ドライバー、アイルトン・セナの知られざる素顔に迫る、ネットフリックスの新シリーズ『セナ』が11月29日に配信を開始する。私生活での人間模様、サーキットを離れたところでの人柄、そして文字どおりグランプリレースに捧げた生きざまを、実話を基に6部構成のドラマで描く。

史上最速のドライバー」と名高いセナを演じるのは、故郷ブラジル出身の俳優ガブリエウ・レオーニ。ブラジルの花形テレビ司会者で恋人のシューシャ役を、同じくブラジル人の女優パメラ・トメが務める。宿命のライバルだったアラン・プロスト役にはフランス生まれの俳優マット・メラ、所属チーム・マクラーレンの監督ロン・デニス役に英俳優パトリック・ケネディが扮している。

セナは1984年のブラジルGPでトールマンからF1デビュー。その後ロータス、マクラーレンと渡り歩き、ドライバー選手権を3度制覇してF1の代名詞となった。しかし、ウィリアムズに移籍して臨んだ11年目の1994年、イタリアのイモラで行われたサンマリノGPで、時速300km以上でコースアウトしてコンクリート壁に激突し、帰らぬ人となった。

1994年5月1日、サンマリノGP決勝を前に、ウィリアムズFW16ルノーのコックピットに収まり前方を見つめるアイルトン・セナ(Pascal Rondeau/Allsport/Getty Images)

1994年5月1日、サンマリノGP決勝を前に、ウィリアムズFW16ルノーのコックピットに収まり前方を見つめるアイルトン・セナ(Pascal Rondeau/Allsport/Getty Images)

セナの死後、F1では車体の空力特性やピットレーンの走行速度に制限が設けられるなど、多くのレギュレーション変更が行われた。そして、2015年にジュール・ビアンキが9カ月前の2014年日本GPで負った怪我がもとで亡くなるまで、グランプリ期間中の死亡事故は起きなかった。

10年にわたるキャリアで築き上げた勝利記録に加え、マクラーレンでチームメイトだったプロストとの激しいライバル関係でもセナは有名で、その様子は2010年公開の英ドキュメンタリー映画『アイルトン・セナ 〜音速の彼方へ』にも取り上げられている。

1988年オーストラリアGPで2位に終わったマクラーレンのアイルトン・セナと、優勝したチームメイトのアラン・プロスト(Tony Feder /Allsport)

1988年オーストラリアGPで2位に終わったマクラーレンのアイルトン・セナと、優勝したチームメイトのアラン・プロスト(Tony Feder /Allsport)

セナはモータースポーツファンの間でレジェンドとなっただけでなく、ブラジルでは国民的英雄として愛された。死去を受けて、ブラジル政府は3日間の服喪を宣言。イタリアから帰国した遺体を100万人以上の市民が沿道で出迎えた。葬儀は国葬として行われ、推定300万人が棺を見送った。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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