会話型バンキングがついに本格化する
2025年は、会話型バンキングの飛躍の年となるだろう。リーダー企業はAIの機能を駆使し、アプリ内のチャットボットをより賢く、顧客にとって有用なものへと進化させる。具体的には、アプリの操作を支援したり、サポートを提供したり、個別の金融アドバイスを行う機能が一般的になるだろう。銀行は、会話型アシスタントを効果的に設計し、AIガバナンスを実施する必要がある。また、実装時のリスクを軽減するために、会話型AIシステムの再構築に投資することが求められる。「貯めてから支払う(SNPL)」という貯蓄サービスの登場
「貯めてから支払う」(Save Now, Pay Later:SNPL)として知られる新たなサービスが注目されている。SNPLとは、あらかじめ一定期間貯蓄を行い、その後に商品やサービスを購入する仕組みのことだ。顧客が貯蓄からリターンを得る手段としてインドのような国々で採用が進んでいるが、西欧市場での普及はこれまで限定的だった。しかし、支払いサービスを提供するフィンテック企業クラーナ(Klarna)が新たにSNPLの提供を始めたことで、強固な加盟店エコシステムを持つ他社にも影響を与え、西欧市場でのSNPLオプションの導入を促進することが予想される。顧客の貯蓄をめぐる激競争が激化する中、銀行はイノベーションを起こし、経済的価値を提供する新たなソリューションを模索する必要がある。そうしなければ、「今買って、後で支払う(Buy Now, Pay Later:BNPL)」のトレンドで見られたように、競争から取り残されるリスクがあるだろう。
リアルタイム処理が標準となる
2025年までに、決済、資金調達、オープンバンキング、不正評価、国際送金などの金融取引において、リアルタイム処理が世界的に標準となるだろう。しかし、その普及がただちに革新的な製品やCXの向上につながるわけではない。金融機関は、リアルタイム処理インフラを基盤として、付加価値のある製品やサービスを開発することを優先し、顧客の期待に応え、競争優位性を確保し、リアルタイム処理の未来を形作る必要がある。
(forbes.com 原文)