その主な理由は以下の通りだ。
・調整後のEPS(1株あたりの純利益)が2021年の4.62ドルから現在5.02ドルへと約9%上昇
・この期間、同社の実績PERが8倍から11倍へと上昇
何がアルトリアの収益成長を牽引したのか?
アルトリアは米国市場でたばこ製品を販売する企業だ。2021年にワイン事業を12億ドル(約1849億円)で売却し、無煙タイプを含むたばこ製品への注力を強めている。一方、米国のインフレ率の上昇に伴い、同社によるタバコの販売量は減少中であり、2021年の938億本から、直近1年間では701億本へと約25%減少した。これがアルトリアの収益の重荷となっており、収益は同期間に211億ドル(約3兆2521億円)から203億ドル(約3兆1287億円)へと約4%減少している。減収幅が数量の減少幅よりはるかに小さいのは、ここ数年のたばこ価格の上昇によるものだ。アルトリアは、NJOYなどの比較的新しい電子たばこ製品からも利益を得ている。
アルトリアは近年減収となっているが、営業利益率は2021年の54.8%から現在の56.4%へと改善している。また、同社は2021年以降、自社株買いに80億ドル(約1兆2330億円)近くを費やし、その結果、株式総数は6%減少した。マージンの拡大と株式数の減少により、収益のわずかな減少は相殺され、EPSは2021年の4.62ドルに対し、直近1年間では5.02ドルまで上昇した。