収益を7倍に伸ばしたCFO
AppLovinは、チェンをKKRから引き抜くために、2019年11月に彼に480万株の株式を1株あたり5.05ドルで取得するオプションを付与した。同社は、2021年4月に新規株式公開(IPO)を行い、時価総額は250億ドル(約3兆8400億円)に達し、チェンの持ち分とオプションの価値は、約3億2500万ドル(約500億円)に上昇した。チェンは、今年初めに60万株のAppLovin株を4800万ドル(約74億円)で売却した後も、180万株と230万株のオプションを保有しており、その合計の価値を14億ドル(約2153億円)とフォーブスは見積もっている。AppLovinの株価は、今年の年初に約39ドルだったが、11月22日の終値は333.31ドルに達した。
チェンは、AppLovinのCFOとして、同社の収益を2019年のほぼ7倍に引き上げるのに貢献した。同社は、2018年には2億6000万ドル(約400億円)の純損失を計上していたが、2023年の純利益は3億5700万ドル(約549億円)に達した。彼は、今年の1月にCFOを退任し、CEOの顧問を務めているが取締役会には残っている。
「当社は、ヘラルドが当社の上場企業への移行とコアビジネスの著しい成長を実現するためのプロセスの構築を支援してくれたことに感謝しています」と同社のCEOのフォロウギは、チェンがCFOの辞任を発表した際に語った。
チェンは、今後もAppLovinの取締役会メンバー兼顧問として会社に大きな影響力を持ち続けることになる。これは、同社が2021年に上場した際に、チェンとフォロウギ、KKRらが保有する株式を、クラスA株の20倍の議決権を持つクラスB株に転換し、3者が会社の議決権の80%を支配することになったためだ。
「私は、素晴らしいAppLovinのチームの一員として過ごしてきたことを光栄に思います。私たちは、テクノロジーと市場のポジションを劇的に強化し、並外れた成長を達成しました」とチェンは、2023年の声明で述べていた。
(forbes.com 原文)