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2024.11.24 10:00

【米国株ウォッチ】独禁法違反の提訴で揺らぐグーグル、今後の株価の行方はいかに

株価にアップサイドはあるか?

年初来で26%高となっているアルファベット株は、同24%高のS&P500種株価指数より僅かに好調だ。しかし、その年間リターンはS&P500よりもかなり不安定である。アルファベット株の年間リターンは、2021年に65%、2022年にマイナス39%、2023年に59%だった。

金利引き下げやグーグルの独占禁止法違反訴訟をめぐる現在の不透明なマクロ経済環境を考えると、アルファベット株は2022年と同じような状況に直面し、今後の12カ月間でS&P500をアンダーパフォームする可能性がある。

バリュエーションの観点では、私たちはアルファベットの株価は現在妥当な水準にあると考えている。私たちはアルファベットの目標株価を182ドルとしており、これは米国時間11月21日現在の株価である170ドルよりもやや低い。この目標株価は、2024年の予想EPS(1株あたりの純利益)である8.05ドルに23倍のPER(株価収益率)を掛け合わせたものである。この23倍という数字は、過去3年間の平均PERである18倍よりも高いが、アルファベット株は、メタ株の25倍、アマゾン株の40倍などと比べると低い倍率で取引されている。それは、アルファベットにとって重要なリスクが残っていることを示唆している。

今後の行方

グーグルは独占禁止法違反で、市場や検索サービス全般を独占しているとして提訴されている。救済措置としては、同社の解体、規制監督、事業制限などが考えられる。現在、グーグルは検索ブラウザ市場の90%を独占している。検察当局による最近の主張は、同社の検索ブラウザであるGoogle Chromeに焦点を当てたもので、そのChromeは30億人以上のユーザーを抱えている。Chromeは、ユーザーが検索エンジンにアクセスするためのゲートウェイとして機能することから、グーグルにとって非常に重要な資産だ。このウェブブラウザだけで、200億ドル(約3兆940億円)もの価値があるとの声もある。

さらに米当局は、グーグルはユーザーから収集したデータを競合他社と共有すべきだとも首長している。そして、もし救済措置によって競争が激化しないのであれば、グーグルはAndroidの売却を検討すべきだとしている。

当局が主張する救済措置はいずれも、長期的なアルファベットのビジネスにとって良い結果をもたらさないだろう。そのため、AI需要を背景にクラウド事業が力強く成長し、広告収入が引き続き増加しているにもかかわらず、株価は短期的には意味のある成長は見込めないかもしれないと私たちは考えている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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