マスクは米東部時間21日朝のX(旧ツイッター)の投稿で、ベゾスが次期大統領に選ばれたトランプが、「間違いなくこの選挙で負ける」と周囲の人々に言っていたと主張した。マスクは、誰からこのベゾスの発言について聞いたのか、ベゾスが誰に対してこの発言をしたのか、どこでこのような発言をしたのかについては言及しなかった。
マスクは、ベゾスが「すべてのテスラの株とスペースXの株を売るように人々に勧めた」と主張した。これは、時価総額が約1兆ドル(約154兆円)のテスラと、評価額が2500億ドル(約38兆6100億円)規模のスペースXの価値が、マスクがトランプを公に支持していることが原因で、急落することを示唆したものと考えられる。
しかし、ベゾスはマスクのこの投稿に、「いや、これは100%事実ではない」と返信し、マスクの主張を完全否定した。マスクはその後、「そうか。では、私の間違いだったことを認める」と投稿し、この騒動は一見するとマスク自身によって収束した形になった。
マスクは、20日にトランプが所有する別荘のマール・ア・ラゴを訪れた際にベゾスのこの話を「人から聞いた」と主張しているが、彼は、過去にも誤った、あるいは誤解を招くような主張をしたことがある。
また、選挙前のベゾスによる公の発言や行動に、反トランプ的な姿勢を示すものは確認されていない。ベゾスは、大統領選でカマラ・ハリスを公に支持した80人以上のビリオネアの中には含まれていなかった。また、選挙の1週間前に彼は、自身がオーナーを務めるワシントン・ポスト紙が掲載しようとしたハリス支持の社説を差し止めたと報じられ、議論を呼んでいた。
さらにベゾスは、今年7月に発生したトランプの暗殺未遂事件の際には、トランプの対応が「驚くべき優雅さと勇気を見せつけるものだった」と絶賛しており、トランプの大統領選での勝利を「類まれな政治的カムバック」と評していた。