ホワイトハウスの「暗号資産担当官」の任命は、トランプが7月に立ち上げを約束した「戦略的な国家ビットコイン準備金」の実現への期待をさらに高めると見られている。
暗号資産を活用した予測プラットフォームのPolymarket(ポリマーケット)では、トランプがビットコインの戦略的準備金を創設する確率が、今回のブルームバーグの報道以降に40%以上に急上昇している。
米共和党のシンシア・ルミス議員は、7月末に米連邦準備銀行(FED)に戦略的準備金としてビットコインを保有することを義務づける法案「2024年ビットコイン法」を上院に提出していた。この法案は、5年間で100万ビットコインを購入することで、36兆ドル(約5570兆円)近くに達する米国の国家債務を削減することを狙うもので、ルミス議員はトランプの大統領選での勝利を受けて、この法案の実現を改めて呼びかけていた。
トランプは2024年を通じて、ビットコインと暗号資産の導入に賛同するアドバイザーを集めており、注目を集める閣僚人事の中には、ビットコインに「数億ドルのエクスポージャーを持つ」と主張する米金融大手キャンターフィッツジェラルドのハワード・ラトニックCEOの商務長官への指名が含まれている。
「希少で特別な存在であるビットコインは、時間とともにさらに価値を上昇させるだろう。ビットコインは、金や石油と同じように資金の流入によって今よりもずっと高値になることもあれば、下落することもある。信念を持たなければならない」とラトニックは、今月初めに述べていた。
一方、今年の選挙でビットコインによる政治献金を最初に受け入れた候補の1人だったロバート・F・ケネディ・ジュニアは、トランプによって米保健福祉省のトップに指名されている。
「ビットコインは自由のための通貨であり、中間層の米国人にとっては、インフレへのヘッジとなる。さらに、ドルが世界の基軸通貨の地位から格下げされることへの解決策となり、破滅的な国家債務から脱出するためのツールにもなる」とケネディ・ジュニアは最近X(旧ツイッター)に投稿した。
また、ビットコインマガジンのCEOでトランプの暗号資産戦略のアドバイザーを務めるデイヴィッド・ベイリーは、トランプがビットコインや暗号資産の支持者の共和党のビル・ハガティ上院議員を財務長官に指名する可能性があると述べている。
「もしそれが現実になったら、持っているものすべてをビットコインに注ぎ込め」とベイリーは20日にXに投稿している。
(forbes.com 原文)