「ジョブタク」はタクシーを舞台にしたユニークな設定となっており、タクシー運転手はパペットの「バク美」。動物バクのような長い鼻が特徴のキャラクターだ。このバク美が乗客(ゲスト)と繰り広げる世間話を通じて、職業や人生における投資について軽快に話を進めていく。注目すべきは乗客が語る人生経験をタクシー料金に見立てた「人生投資メーター」だ。その人のお金の使い方と経験への投資――つまり、何に価値を見出して現在の仕事・立場につながっていったかを、メーターとして可視化している点が興味深い。
MCを務める「バク美」がゆるい見た目とは異なり、サバサバとした口調で乗客へのインタビューを深堀していくさまも痛快だ。例えば、他人にはなかなか言いにくい年収などの金銭的なトピックでも、パペットとして介することで自然に引き出している。人対人のかっちりとした対面インタビューとは異なり、バラエティ番組さながらの軽やかな会話・ライブ感で投資トピックが視聴者に届くよう工夫されている。
『ジョブタク』第1回のゲストは、大学職員からフリーランス漫画家に転身し、大ヒット書籍を生み出した「あんじゅ先生」が登場。彼女が語るキャリアの変遷と人生投資は、Z世代にとって未来を考える上での具体的なヒントとなるだろう。
ライフスタイルや価値観の多様化により、自分らしい人生を追求できる一方、正解というものがなく自分で行動し選択することが求められる若者たち。そんな彼らが今後の職業やキャリア選択などにおいて、未来のなりたい自分の姿を描き、行動するためのヒントを提供していくことを目的としたこの番組。若者だけではなく、大人目線で視聴しても「投資という意味」について気づきを得ることができるのではないか。金融リテラシーが単なる知識の伝達にとどまらず、視聴者の価値観や行動を変える力となる意味でも、今後のゲストの人生投資トークに注目していきたい。
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