ゲーミフィケーション事業を展開するSEGA XD(セガ エックスディー)は、20代から50代の全国の生活者男女800人と、アプリ運用従事者200人を対象に「ゲーミフィケーションに関する意識調査」を実施した。それにより判明したのが、スマホアプリの平均インストール数が40.1個なのに対して、週1回以上利用しているアプリは平均12.1個、つまり70%はほとんど使われていない「休眠アプリ」だったことだ。
一般ユーザーが現在利用しているアプリは、仕事を含めるとSNSがトップで、続いて検索、決済、チャット、ニュースなどとなっている。個人的な利用では、音楽や動画の配信、ポイントカード、漫画や書籍、体調管理などとなっている。どちらも、コストに見合った価値のあるもの、つまり無料だったりうんと安いものがもっとも好まれているが、ポイントなどの報酬があるもの、操作性がいいもの、利用することで面白さを感じるものも人気だ。
ゲーミフィケーションとは、ゲームの基本的な構成要素であるゴール、ミッション(ゴールまでに達成すべき課題)、報酬、可視化(スコアや称号などで自分の位置がわかるもの)を通常のアプリに取り入れ、アプリ利用のモチベーションや継続性を高めることを言う。上に示したよく使うアプリの「報酬」や「面白さ」はゲーミフィケーションの考えと重なる。または、実際にゲーミフィケーションされたアプリである可能性は高い。7割の休眠アプリも、ゲーミフィケーションで使われるようになるのだろうか。
アプリ運用担当者に、アプリ利用促進のための9つの施策の効果を尋ねると、インフルエンサーの利用を除く8つで、ゲーミフィケーションを活用している運用担当者の方が活用していない担当者に比べて利用促進効果を実感している割合が高くなっている。なかでも目を惹くのが、ユーザーが楽しめるような体験、利用にともないポイントなどを付与、といったものだ。完全なゲーミフィケーションとまで行かずとも、これらの要素を部分的に取り入れるだけでも効果があることがわかる。
より明示的な効果は、アクティブユーザーの満足度に示されていた。ゲーミフィケーションを活用したものと、そうでないものとでは、ユーザー満足度に31.7ポイントもの差がついたのだ。
あらゆるアプリでゲーミフィケーションが可能だとは限らないが、今後はますます楽しくてお得なアプリが増えてきそうだ。あるいは、思ってもみない分野に採用されて我々を驚かせてくれるかもしれない。面白いのが何よりだ。
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