それから間もないウクライナ時間19日、ウクライナ陸軍の発射機から、数百個の子弾を内蔵したクラスター弾頭型とみられるATACMS弾道ミサイル8発が、ウクライナとの国境から100kmほど離れたロシア西部ブリャンスク州カラチェフの広大な弾薬庫に向けて発射された。弾薬庫は炎に包まれた。
この未明の攻撃は、ロシア西部クルスク州とその周辺のロシア軍やその指揮・補給インフラを狙う強力な深部攻撃作戦の「のろし」に過ぎなかったようだ。
米政府に続き、英仏両政府もそれぞれ自国製弾薬をウクライナがロシア領内への攻撃に使うことを許可した。20日朝、ウクライナ空軍機が、ウクライナとの国境から40kmほどに位置するロシア西部クルスク州マリノ町の目標に対して、英国製ストームシャドー巡航ミサイルを10発撃ち込んだと伝えられる。
Ukrainian forces released drone footage of the Storm Shadow strikes against Mar‘ino, Kursk region, Russia. It shows that the missiles targeted the secondary buildings of that facility and hit at least 3 buildings. I marked the impact points on the map.
This was an important… https://t.co/MQqRvoj91U pic.twitter.com/m3hVAlp0cL — (((Tendar))) (@Tendar) November 20, 2024
英BAEシステムズ社は、地下壕のような堅牢な構造物を破壊するために、ストームシャドー用の重量約400kgのBROACH(ブローチ)弾頭を特別に開発した。ウクライナ軍が2023年9月、ロシア占領下クリミアの乾ドックに入渠していたロシア海軍潜水艦を狙った際、攻撃手段として少なくとも1発のストームシャドーを選んだのは理由のないことではなかった。
ロシアのある軍事ブロガーによれば、攻撃されたのは指揮所だったという。クルスク州で2万人規模のウクライナ軍部隊が保持する650平方kmほどの突出部に対し、反攻作戦を行っている5万人規模のロシア・北朝鮮部隊を指揮するロシア軍将校らがいたのかもしれない。北朝鮮軍の将校がいた可能性もある。ブロガーはこの破壊的な攻撃について「無防備な者の処刑」のようだと嘆いている。