Twineはサイバーセキュリティ業界の人材不足を、同社が「デジタル従業員」と呼ぶ人工知能(AI)エージェントを提供することで解消しようとしている。同社のアレックスという名前のデジタル従業員は、IDおよびアクセス管理(IAM)の専門家として設計されている。
Twineの共同創業者でCEOのベニー・ポラットによると、アレックスはSaaSプラットフォームとして展開され、顧客の環境内の様々なシステムと接続する。「顧客は、アレックスのインターフェースを通じて質問をしたり、タスクを割り当てたりする。すると、アレックスは、割り当てられたタスクに対して計画を立てて承認を求め、完全な透明性を確保しながらその計画を実行する」とポラットは説明した。
世界経済フォーラムは、数カ月前に発表した報告書で世界のサイバーセキュリティ業界が約400万人の専門職の不足に直面していると警告した。この問題は、クラウドコンピューティングやリモートワーク、新たなAIソリューションの急速な普及に伴う、サイバー攻撃の件数が大幅に増加している中で発生している。
2024年第3四半期のサイバー攻撃の発生件数は、前年同期から75%増加したとされている。しかし、CyberSeekの最近のデータによれば、米国全体で必要なサイバーセキュリティ職のうちの、85%しか充足されていないという。
デジタル従業員の初期の例としては、10年前にIPsoftが開発した「Amelia」が挙げられるが、Twineはサイバーセキュリティ分野でデジタル従業員を開発・販売する初の企業だとされている。今日の生成AIや大規模言語モデル(LLM)の発展によって、AIエージェントは基本的なタスクを超えたスキルを持ち、さまざまな部門でデジタル従業員として機能している。例えば、11x.aiは営業やマーケティングの業務の自動化に特化しており、Alchemyst AIはセールス分野に特化している。
ポラットによるとTwineは、分業の枠組みを採用し、AIエージェントによる意思決定とデータの分析機能を分離しているという。「当社が使用している主要なLLMはOpenAIのGPT-4だ。私たちは経験豊富なサイバーセキュリティの専門家として、AIモデルとそれに関連するデータを含む全体のアーキテクチャを通じて、セキュリティを考慮した製品を構築している」と彼は説明した。