エヌビディアの10月末までの3カ月間の純利益は193億ドル(約2兆9900億円)で、アナリスト予想平均の174億ドル(約2兆7000億円)を上回った。売上高は351億ドル(約5兆4400億円)で、市場予想の332億ドル(約5兆1400億円)を大きく上回った。同社は、今後もこの成長が続くと見込んでおり、第4四半期の売上高見通しをアナリスト予想の371億ドル(約5兆7500億円)を上回る375億ドル(約5兆8100億円)とした。
エヌビディアの株価は、売上高と利益が予想を上回り、強気の見通しを示したにもかかわらず、決算発表の直後に一時3%下落した。この下落の原因は明確ではないが、投資家はより好調な四半期の業績を期待していたものと考えられる。
エヌビディアが示した第4四半期の375億ドルという売上高予想は、7%の増収見通しとなるが、この成長率は2023年1月期以来で最も低いものとなる。電話会議で同社の最高財務責任者(CFO)のコレット・クレスは、最新のGPUプラットフォームの「Blackwell(ブラックウェル)」への期待が非常に高いと強調した。
エヌビディアの時価総額は、決算発表の直後の株価の下落によって約1000億ドル(約15兆5000億円)減少した。この減少額は、シリコンバレーの半導体分野の老舗のインテルの時価総額とほぼ並んでいる。
一方、エヌビディアのデータセンター部門の売上高は、2022年の同期間の38億ドル(約5900億円)を700%以上も上回る308億ドル(約4兆7700億円)へと急拡大した。この急激な成長は、生成AIのブームと一致しており、同社が先進的な機械学習モデルのトレーニングに使用される複雑なソフトウェアおよびハードウェアシステムの大半を設計していることが寄与している。
時価総額が3兆5000億ドル(約542兆5600億円)のエヌビディアは、アップルやマイクロソフトらを抜いて世界で最も価値のある企業となっている。同社の株価は過去2年間で830%以上上昇しており、S&P 500に上場している企業の中で2番目に上昇率が高いメタの400%を大きく上回るリターンを投資家に提供している。
31年前にエヌビディアを共同創業したジェンスン・ファンCEOの保有資産を、フォーブスは1270億ドル(約19兆6900億円)と見積もっている。
(forbes.com 原文)