ロシア国防省は、撃ち込まれたATACMSは6発で、現地の防空システムが「5発を撃墜し、1発を損傷させた」と主張している。だが、19日朝にネットに出回った動画には、攻撃現場とされる場所で激しい火の手が上がっている様子が映っている。ATACMSから降り注いだ多数の子弾で大きな被害が出た証拠のように見受けられる。
Early this morning, a large explosion tore through Russia’s 67th GRAU Arsenal, a critical ammunition storage facility in Bryansk Oblast, sending a fireball soaring hundreds of feet in the air.
— OSINTtechnical (@Osinttechnical) November 19, 2024
Ukrainian attack drones had been spotted in the area. pic.twitter.com/YhNWDIsqJe
第一に、バイデン政権はATACMSによるロシア領内への攻撃を、ロシア西部クルスク州とその周辺に限って承認したと伝えられる。クルスク州では2万人規模のウクライナ軍部隊が650平方kmほどの突出部を守るため、ロシア兵と北朝鮮兵計5万人強で構成されるロシア側部隊と戦っている。19日にATACMSで攻撃されたロシア国防省ロケット・砲兵総局第67兵器廠があるカラチェフは、クルスク州から比較的近い。
第二に、ウクライナ軍に残っているATACMSはおそらく多くない。米国がウクライナにATACMSを引き渡したのは2023年末と今年3月の2回だけだった可能性もある。合計で50発足らずかもしれない(編集注:米政府は高機動ロケット砲システム=HIMARS=用弾薬を最新の支援パッケージを含め複数回ウクライナに供与している。ATACMSはHIMARS用弾薬のひとつだが、この項目に含まれて供与されたことがあったのかは不明)。ウクライナ軍は過去1年にATACMSを使った攻撃を今回を含め8回行っており、大半は一度に数発発射していた。