経営・戦略

2024.11.21 12:30

米国で最も成功している「小型株」、トランプ相場も追い風に

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ドナルド・トランプのホワイトハウスへの返り咲きは、株式市場に活況をもたらしているが、「トランプ相場」は米国の全上場銘柄の時価総額の約20%を占めるとされる小型株にも追い風となっている。

トランプと共和党は、今年の選挙戦を通じて、インフレの影響で過去4年間、米国人の暮らしを支える食料品の価格が高騰していることを警告し続けてきた。そのため、米国で最も株価を上昇させた小型株に分類される企業の1つが、最も高価な鶏卵を販売しているという事実は意外なことかもしれない。

テキサス州オースティンで2007年に設立されたVital Farms(バイタルファームズ)は、倫理的でサステナブルな食品に注目が集まる中で、平飼い飼育されたニワトリの卵を販売する食品メーカーとして支持を拡大した。2020年8月にナスダックに上場を果たした同社の株価は、過去1年で約130%上昇した。

バイタルファームズに卵を納入している375軒以上の契約農家は、ニワトリをケージの中に閉じ込めるのではなく、屋外で飼育している。このような人道的な取り組みはコストをともなうが、そのコストは、消費者に転嫁されている。同社の標準的な卵1ダース(12個入り)の価格は約6〜7ドル(約930〜1090円)で、最も高級なオーガニック卵の価格は11ドル(約1700円)に達する場合もある。

「ただ単純に高額な商品を作っていたら、市場の競争に負ける。この会社が成功したのは、卵を売るだけでなく食料の生産を通じてブランドを創造したからだ。私たちには数多くの熱狂的なファンがいる」とバイタルファームズのラッセル・ディエズ=カンセコCEOは述べている。

同社の過去12カ月の売上高は、前年同期比29%増の5億7600万ドル(約894億円)に達しているが、これは米国の鶏卵市場の8%を占める金額だ。さらに、バイタルファームズの同期間の純利益は、約150%増の5000万ドル(約77億7000万円)を記録した。これを受けて、同社の株価は過去1年で2倍以上に跳ね上がり、IPO後の3年間の70%の下落をほぼ帳消しにしている。
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編集=上田裕資

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