健康

2024.11.25 17:45

湯船に入って漏れ出る声ランキング:11月26日はイイフロの日

shutterstock

shutterstock

温泉宿のお電話予約サービス「ゆこゆこ」は、20代から60代の温泉好きの男女1500人を対象に「細かすぎる温泉の実態調査」を実施した。湯船につかったときにどんな声を出すか。まさに細かすぎる、どうでもいいような話だが、それには医学的にも大切な意味があった。

温泉や自宅のお風呂で、湯船に身を沈めたときにどんな声を発するか。33パーセントともっとも多かった答が「はぁ〜」だった。続いて「ふぅ〜」(約29パーセント)。息は出るが声はでないという人が約13パーセント。ほぼ同じ割合で、息も声も出ない人。「あぁ〜」は意外に人気が低く7パーセントなどとなった。「はぁ〜」はとくに40代の女性に多く、「ふぅ〜」はおもに50代の男性に多いという傾向も見られる。

調査の監修を担当した東京都市大学人間科学部の早坂信哉教授によれば、じつは湯船に入ったときに声を出すのには理由があるとのこと。「お湯に浸かると水圧でお腹が圧迫されるほか、湯が熱いと自律神経である交感神経が刺激されますが、その状態で息を我慢していると血圧が上昇する危険性があります」というのだ。だから、声を出さなくても、しっかりと息を吐くよう意識することが重要となる。その後は、深呼吸を続けることで副交感神経が優位になり、リラックス効果を高められる。

このほかの「細かすぎる」質問からも、お風呂を上手に楽しむためのコツがいくつか示された。湯船に入る前の「かけ湯」を体のどの部分に行うかとの問いでは、5割近い人が「肩から腕」と答えた。それが正解。問題は、「腹から下」と「首から胸」など、体の中心部にいきなりお湯をかける行為だ。かけ湯の目的はヒートショック予防、つまり、お湯の温度に体を慣らすことにある。いきなり体の中心部にかけてしまうと、急激に血圧が上昇してかえって危険を招くので、体の末端からかけることが大切だ。

お風呂の温度は、ぬるい派が約51パーセント、熱い派が約49パーセント。リラックス効果を高めるのは、ぬるいお湯のほう。額に汗がにじんでくるタイミングで湯船を出れば、体温は0.5〜1.0度ほど上がっていて血行がいい状態になっている。額の汗は、お風呂の効果がしっかり得られるサインだと早坂教授。もっと長く入りたいという人は、休憩と水分補給とはささむ「分割浴」がお勧めだ。

風呂上がりにいちばん飲みたいものは、「水」が23パーセントとトップ。約22パーセントで追随するのが定番の「コーヒー牛乳」だった。炭酸飲料水は意外に少なく約11パーセントという結果だ。お風呂から出たら水分補給が必要なので、アルコール以外なら基本的にはなんでもいい。体温が上がっているときは冷たい水で体を冷やすとよいが、それほど上がっていないときは、体温を下げないよう常温の水がお勧めとのことだ。

早坂教授は、コーヒー牛乳を「お風呂上がりにもってこい」だと推薦している。入浴で血糖値が下がるので糖分の補給ができ、牛乳のたんぱく質が水分を吸収しやすくする。炭酸飲料は血管の拡張作用があり、血行が良くなるので、これも効果的。

風呂上がりは冷たいビール! と決めている人は、まず水分補給が先。アルコールは利尿作用があるため、飲んだ以上に水分を体から排出してしまう。なので、お風呂から出て少し時間を置いてから、同分量の水とともに飲むのがよい。

手足のかけ湯、ぬるめの湯船に入ったら「はぁ〜」または「ふぅ〜」、額に汗がにじんだら上がってコーヒー牛乳。これで冬のお風呂ライフは完ぺきだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事