クラウド型コールセンターシステム「BIZTEL」などを運用するリンクは、全国の20代から60代の男女500人を対象に「AI時代における顧客コミュニケーションおよび窓口対応に関する意識調査」を実施した。それによると、相談窓口に電話をかけたときに無人音声による対応だった経験を持つ人は9割に達し、今やAIによる顧客対応が当たり前の時代になったことがわかる。人による対応が当たり前だった世代の人間には、AIにモヤモヤを感じることが多いが、調査では、無人音声による対応に満足した人と不満だった人の割合がほぼ同数だった。
満足だった理由のトップ3は、人と話さずに済む、問題が解決した、オペレーターにつながるまでの待ち時間がない、といったものだ。有人オペレーターの時代は電話がつながらずイライラすることが多かった。大手ソフトウェアメーカーの相談窓口では「ただ今の待ち時間は36時間です。そのまま切らずにお待ちください」なんて言われることも冗談抜きにあった。だが気がついてみれば、AI対応になってから電話で待たされることはなくなった。受付時間の制約も、いつの間にかなくなっている。
不満理由のトップ3は、解決まで時間がかかる、選択肢が多い、自分の用件に合致する選択肢がない、だった。「◯◯なら1を、◯◯なら2を……◯◯なら6を」などと選択肢をずらずら並べられるにもかかわらず、そこに自分が本当に聞きたい項目がなかったり、相談途中で「その場合は3を……」などとあちこちたらい回しにされた挙げ句に元に戻されてキレまくる、などということもある。こうした不満を感じた人の約35パーセントは、その企業や団体に「不信感」を抱いた。約30パーセントは「取引をやめたくなった」と答え、約27パーセントの人は怒りすら覚えている。
やはり、AIはまだプロのオペレーターにはかなわない。優秀なオペレーターは相手の気持ちを酌みながら、上手に解決策を示してくれる。実際、有人対応は必要だと考える人は8割近い。臨機応変な対応や早い問題解決を理由にあげる人がそれぞれ6割以上(複数回答)となっている。また、無人音声で問題が解決しなかったとき、有人対応窓口に電話をするという人は7割を超える。