米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、モエ・ヘネシーの幹部に就任するのは、アルノー会長の5人の子どもの中でもアレクサンドルが初めてだと伝えた。
アルノー会長の他の子どもたちと同様、アレクサンドルもLVMH傘下企業でさまざまな役職を歴任しており、独高級スーツケースメーカー「RIMOWA(リモワ)」の最高経営責任者(CEO)のほか、2021年からは米宝飾品大手Tiffany & Co.(ティファニー)の要職に就いていた。ティファニーはアレクサンドルの指揮下で収益を拡大し、米ニューヨーク5番街にある本店を改装するなど、LVMHの傘下企業の中でも特に業績が好調だと報じられた。
アレクサンドルはアルノー会長の3番目の子どもだ。同会長には最初の妻だったアンヌ・デワブランとの間に2人の子ども、長女でLVMH傘下の仏高級ブランド「DIOR(ディオール)」CEOのデルフィーヌ(49)と、同じく同社でCEO兼副会長を務める長男のアントワーヌ(47)がいる。アレクサンドルは同会長の2人目の妻エレーヌ・メルシエアルノーとの間に生まれた最初の子どもで、アルノー会長にとっては次男となる。その下には、LVMHの時計部門の責任者を務めるフレデリック(29)と、同社傘下の仏高級ブランド「ルイ・ヴィトン」の時計部門を率いるジャン(26)の2人の弟がいる。
LVMHの傘下企業には、ディオール、Sephora(セフォラ)、LOEWE(ロエベ)、Marc Jacobs(マーク・ジェイコブス)といったブランドが名を連ねている。アルノー会長と一族の資産は推定で約1587億ドル(約24兆5000億円)に上り、19日時点で同会長はフォーブスが発表する世界長者番付で5位に位置付けている。アルノー会長の純資産は過去に2億ドル(約309億円)を超え、昨年以降何度も世界長者番付で1位に躍り出たが、今年に入ってからは事業が減速したために目減りしている。