アレクサンドルは米国のドナルド・トランプ次期大統領やその家族とも交流があり、最近では米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで開かれた選挙集会にも姿を見せたことが報じられた。トランプ次期大統領は昨年、米フロリダ州の私邸マールアラーゴでの夕食会に招待するなど、複数回にわたってアレクサンドルと面会しており、その様子を自身が立ち上げたSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿している。トランプ次期大統領はアレクサンドルを「欧州だけでなく世界的に偉大な実業家で指導者の息子であり、活躍する若者だ」と称賛。ニューヨークのトランプタワー近くにある米スポーツ用品大手ナイキの旧店舗をティファニーが買収することについて話し合ったと記した。トランプ次期大統領は2019年に米テキサス州ジョンソン郡に新設されたルイ・ヴィトンの工房の式典でも、アルノー会長とアレクサンドルと面会した。
アルノー会長の後継者計画についてわかっていること
アルノー会長は自身が所有する複合企業LVMHの後継者計画を明らかにしておらず、これを巡って憶測が飛び交っている。同会長は昨年、米紙ニューヨーク・タイムズに「子どもが私の後継者になるのは義務でもなければ必然的なことでもない」と語り、自身の子どものいずれかに席を譲るかどうかを明言しなかった。その上で、「家族の内外を問わず、最も秀でた人物がいずれ私の後を継ぐべきだ」との考えを示した。同会長は昨年、後継者候補の間での分裂を防ぐため、5人の子どもたちに経営権を均等に分配し、LVMHに影響を及ぼす重大な決定を下す権限を持つ新たな持ち株会社を設立したと報じられた。LVMHの将来的な後継者争いの可能性を巡っては、メディア王の子どもたちが父の会社の支配権を巡って争う様子を描いた米人気ドラマ「メディア王、華麗なる一族」になぞらえられることもあるが、アルノー会長はこれを一蹴した。
(forbes.com 原文)