テスラの第2四半期の決算報告に先立ち、ウォールストリートは3つの事柄に注目していた。利益と売上、さらに「Model X」と呼ばれる新型SUVのリリースについてだ。
テスラは8月5日午後、アナリストの予想を上回る売上と純利益を報告し、Model Xについては第3四半期の後半にリリースすることを明言した。しかし、同社は通年の売上予測を後退させることも発表し、この報せによりテスラの株価は5日の時間外取引で大きく下落した。
テスラモータースは第2四半期の非GAAP売上を12億ドル(約1490億円)と報告。前年同期比で40%上昇し、ウォールストリートの予測の11.8億ドル(約1466億円)を上回った。利益の面では、6100万ドル(約76億円)の純損失で前年同期の純損失1億4800万ドル(約184億円)から改善した。1株当たりの利益はマイナス48セントで、Factsetのアナリストによる予想、1株当たりマイナス60セントを上回る結果だった。
今回の好調な決算はModel Sの売上に支えられている。Model Sは米国内で前年比30%増の注文数を記録し、欧州では前年比で50%以上も伸びている。CEOのイーロン・マスクは「半年で二度の値上げを行ったにも関わらず、この結果を生んだ」と述べている。
株主への報告書でマスクは「待望の新型車、Model Xは9月にリリースが開始される」と発表した。このスケジュールは彼が以前に述べた「第3四半期後半」という発言と一致している。「現在、500体以上のロボットを導入した新しい車体工場で、Model Xの車体を生産している最中だ。微調整と生産プロセスの確認を行っている」とマスクは述べた。
しかし、待望のModel Xのリリースが確定された一方で、テスラ社の販売見込み台数の引き下げはウォールストリートに失望をもたらした。同社は今回「2015年にModel SとModel Xの出荷台数、5万台から5万5千台を見込む」と述べたが、これは前回の5万5千台の出荷数予測よりも後退している。
「Model Xの生産準備と最終テストは順調だが、様々な不確定な要素がQ4の生産・出荷数に影響を与える可能性がある。サプライヤーからのパーツ供給が生産計画通りに進むかを検証している」とマスクは述べた。
「Model SとModel Xの自動車は同じ組立ラインで生産を行っている。Model Xの生産がModel Sの出荷台数に影響を与える可能性もある。簡単に言えば、良い製品を作るか、台数の達成を優先するかの選択になる。我々は良い製品を作ることを優先する」と彼は続けた。
マスクはまた、テスラが予定通りに新エネルギー車の生産を今期から開始することを約束した。さらに、Model 3のデザインが2016年の第1四半期には公開されることをほのめかした。
決算報告を受けて、テスラ社の株価は時間外取引で6%以上も下落した。その後、株価は持ち直したが8月5日夜の時点で依然として3%以上下げている。前年比ではテスラの株価は21%上昇している。