フィードバック文化の構築
Z世代は、透明性があるのが当たり前という環境に慣れている。そして、リアルタイムでの改善に役立つ、明確で建設的なフィードバックを重視する。こうした文化を育む上で重要な役割を果たすのが管理職だ。ニューヨーク州にあるリベラルアーツ・カレッジ、カニシアス大学の学生担当副学長で学生部長のハロルド・フィールズ教育博士は、透明性の高いコミュニケーションスタイルを取り入れることが極めて重要だと指摘する。
フィールズは、こう説明する。「キム・スコットの著書『GREAT BOSS:シリコンバレー式ずけずけ言う力』(邦訳:東洋経済新報社)で提唱されているような戦略は、Z世代の従業員が重視する、フィードバックが豊富なコミュニケーション文化を築くための強固な基盤となる。同書の中でスコットは、管理職に向けて、『相手を人として気にかけながら、言いにくいこともはっきり言う』ことを推奨している。メンターシップと同様に、本物の人間関係を個別に築く役割を管理職に与え、それを通じて、従業員の職業上の成長と全体的なウェルビーイングに取り組んでいると示すことは、組織に変革をもたらす可能性がある」
Z世代の従業員が、初めて大きなプロジェクトを任されたとしよう。数カ月後の正式な評価を待つのではなく、管理職がその過程で定期的に、小分けにして直接フィードバックを提供すれば、状況を大きく変えることができる。こうしたフィードバックは、時間管理の改善方法や、より効果的にチームと協力するための提案など、簡単なものでよい。
このような継続的なフィードバックは、彼らがリアルタイムで調整を行い、自信を深め、組織の目標と足並みを揃えるのに役立つ。さらに、フィードバックが日常会話の一部となるような文化を築くことは、率直なコミュニケーションと継続的な成長を促す。これは、Z世代に限らず、チーム全体に当てはまることだ。
(forbes.com 原文)