2. 独身女性の方が、人生の満足度が高い
関係ステータスだけでなく、独身女性は、人生そのものに対しても、独身男性と比べて高い満足度を示した。全体的なウェルビーイングに関して見ると、独身生活は、女性には良いものである一方、男性はそうではないらしい。ホーンとマクドナルドはこの結果についても、より広い社会的文脈における女性の立場と結びつけて考察している。ここで重要なのは、女性がもつソーシャルなサポート構造だ。
「男性が、概して個人行動をとりがちであるのに対し、女性は、複数の充実した関係に支えられたコミュニティを形成する傾向にあります」と、ホーンとマクドナルドはインタビューの中で説明した。「こうしたコミュニティがあるおかげで、独身女性は、独身であることのネガティブな影響を感じにくいのです」
全体として女性は、ほとんどの男性と比べて、「数々のソーシャルなニーズを満たすために、恋愛パートナーだけに頼る傾向」がずっと低かった。また、男性と比べて、より緊密に結びついたソーシャルなコミュニティに属し、互いに支援しあっていた。
ホーンとマクドナルドは、こうした要素の重要性を論文の中で強調し、「ソーシャルなサポートと、人生への満足度の関係はよく知られている」と述べている。「こうしたつながりは、特に、恋愛パートナー以外からのソーシャルなサポートが、独身生活のウェルビーイングにとって不可欠な要素であると認識している独身者にとって重要だ」
3. 独身女性の方が、性生活への満足度が高い
おそらく、ホーンとマクドナルドの研究結果で最も驚くべき点は、独身女性は独身男性よりも有意に性的満足度が高かったことだろう。この結果は意外なもので、既存の先行研究とは食い違っている。しかし、これもまた社会規範から説明できるのかもしれない。男性に大きな見返りと低いコストをもたらすような男女関係にまつわる社会規範は、家事のジェンダー分担だけではないのだ。