経営・戦略

2024.11.24 09:45

完全デジタル化は1割未満 文書のデジタル化が遅れて本当に困ること

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日本のオフィスでは、いまだに紙の文書に頼っているところが多い。昔から慣れ親しんだプロセスで業務を続けたい気持ちはわかるが、文書のデジタル化が進まないと、今後、困った事態に陥る可能性がある。

PDFオンライン編集ツール「PDF Guru」を提供するPDF Guru(ピーディーエフグル)は、日本のオフィスで働く1000人の男女、さらにそのうち業務の30パーセント以上でコンピューターを使う100人を対象に2回にわたり文書管理に関するアンケート調査を行った。それによると、社内文書の保管方法は、紙とデジタルの両方が圧倒的に多いのに対して、紙のみは約17パーセントと多く、デジタルのみは10パーセントに満たなかった。

文書のデジタル化が進まない大きな理由のひとつに「承認」がある。紙の書類に管理職のハンコをもらう日本式の習慣だ。また、いまだに紙の書類の提出が求められる公的機関の問題もある。文章量が多くて読みにくいという理由も多かったが、デジタルツールを使い慣れない人が多いことを示唆している。事実、おもにコンピューターで業務している人は全体の24パーセントに過ぎなかった。

しかも、管理職は新しいソリューションを積極的に導入しているかとの問いでは、6割を超えるもっとも多い意見が、あまり積極的に取り入れていないが不満はない、というものだった。

こうした慣行や意識が残っているかぎり、文書の完全なデジタル化は進まない。紙の書類をデジタル化して管理していたとしても、必要に応じてまた紙に印刷して使うというおかしなことになる。さらに、デジタルと紙の文書が混在すると、バージョン管理がかえって複雑になり、セキュリティー上の問題も生じる。

なにより問題なのは、これからのビジネスに不可欠となるAIの導入に影響することだ。AIは紙の書類が読めないので、何はともあれ文書のデジタル化が必要となる。昔ながらのやり方が今後も通用するならいいのだが。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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