米国の株式市場は、15日午後に全面安を記録した。ダウ工業株30種平均は、前日の終値から0.7%(305ポイント)下落し、S&P500は1.3%、ハイテク株が多いナスダック総合指数は2.2%、小型株指数のラッセル2000は1.5%下落した。
ドナルド・トランプが米大統領選で勝利して以降、これら4つの指数はすべて減税や規制緩和への期待感から上昇していたが、その翌週に下落した。これらのインデックスは、すべて5日の大統領選の投票日以降にプラス圏を維持してはいるが、15日のS&P500の終値は、前週から2%超の値下がりとなり、市場全体の興奮が冷めつつあることを示している。
米国のハイテク大手100社を追跡するナスダック100指数は、1月の初週以来で初めて5日連続の下落を記録した。また、15日のS&P500では情報技術セクターが2.5%下落し、最も悪いパフォーマンスを記録したが、中でもアマゾンやメタ、エヌビディアは2%以上値を下げた。
選挙後のウォール街の反応は、依然として非常にポジティブだが、バンク・オブ・アメリカのエコノミストやストラテジストは、トランプと共和党が上下両院を支配する中、1月に政権を握る前に市場の熱狂は冷める可能性があると警告している。バンク・オブ・アメリカの株式ストラテジストであるサヴィタ・スブラマニアンは、「投資家のセンチメントとポジションが危険なほど強気になっている」と警告し、ミューチュアルファンドの現金比率が過去10年で最低水準に落ち込んでいることや、今後12カ月間で株価が上昇すると予想している消費者の割合が記録的に高いことを指摘した。
同社のエコノミストのアディティア・バベは15日に顧客に対し、共和党が支配する政権と議会の下で「広範な政策変更」が起こる可能性があるため、成長予測に対するリスクは「並外れて大きい」と語っている。
慎重姿勢のバンク・オブ・アメリカは依然として年末までにS&P500が6000ポイントに達すると予想しているが、年末の数値が11日に記録した最高値の6017ポイントを下回ると予測している。しかし、ウォール街は依然としてトランプ政権の株式市場への影響をポジティブに見ており、ゴールドマン・サックスのストラテジストは、トランプによる企業減税がS&P500企業の年間収益見通しを4%押し上げると述べている。
(forbes.com 原文)