トランプはこれまで何と言ってきた?
トランプは2023年5月にCNNが開いた対話集会で、自身が大統領ならロシアのウラジーミル・プーチン大統領とゼレンスキーの両者と会談し、ロシアとウクライナの戦争を「1日、24時間で解決する」と豪語した。プーチンとゼレンスキーについて「ふたりとも弱みがあり、強みもある」と述べる一方、戦争を決着させる具体的な方策は示さなかった。トランプは同じ席で、欧州諸国がウクライナにもっと資金援助をすべきだとの考えも示した。
トランプは今年6月末にジョー・バイデン大統領と行ったテレビ討論会で、もし米国に「本物の大統領」がいたらロシアはウクライナに侵攻しなかっただろうと主張した。
トランプ陣営の広報責任者を務め、ホワイトハウスの次期広報部長に起用されたスティーブン・チョンは7月初め、ロシアとウクライナの戦争を交渉で終結させることが第2次トランプ政権の「最優先課題のひとつ」になると述べている。
トランプは9月、ウクライナは早い段階で和平協定を結んでいたほうが得策だったとの見解を披露した。「どんなディール(取引)でも、たとえ最悪のディールであっても、現状よりはましな事態になっていただろう」とし、「(今になって)どんな取引ができるというのか。(ウクライナは)破壊され、国民は死んでいる。国は瓦礫に埋もれている」と語った。
米紙ワシントン・ポストによると、トランプは今月7日にプーチンと電話会談した際、ウクライナに対する戦争をエスカレートさせないよう忠告したという。同紙は関係者の話として、トランプがこれまでにプライベートな場で、ロシアにウクライナでの一部占領地を保持させる和平協定を支持する意向を示唆したとも伝えている。