トランプ政権で「戦争終結早まる」とゼレンスキー
ゼレンスキーは15日、ウクライナの公共放送ススピーリネのラジオインタビューで、「ホワイトハウスを率いることになる(トランプ次期政権の)政策によって戦争の終結は早まる」だろうと語った。ただ、どのようにして早まるのかには言及しなかった。ゼレンスキーは、ウクライナ東部の戦線の状況は「厳しい」と認め、「ロシア軍はゆっくりとだが着実に、圧力をかけて前進している」とも話した。ロシア軍が「ひどい損害」を被っているとも主張した。
バンス「ウクライナがどうなろうと気にせず」
バンスはかねてウクライナへの米国の支援に反対してきた。2022年の上院議員選に出馬したバンスは、ロシアがウクライナに全面侵攻してから間もない時期の選挙遊説で「皆さんの前では正直にならないといけない。わたしは、ウクライナがどうなろうがあまり気にしていない」と突き放した。昨年、保守系シンクタンクのヘリテージ財団で行った講演では「勇敢なウクライナ人」をたたえる一方で、ウクライナは「欧州で最も腐敗した指導部と政府、たぶん世界全体を見渡しても最も腐敗した指導部」を持っているとこき下ろした。
バンスは今年、ウクライナへの610億ドル(約9兆4000億円)規模の新たな軍事援助に反対し、7月には「米国民は終わりのない戦争がまた続くのを許容しないし、わたしも許容しない」とも表明した。
米誌ニューヨーカーの9月のインタビューでゼレンスキーは、ウクライナに領土の放棄を求める和平案を提起したバンスを「急進的すぎる」と断じた。