親密さは時間をかけて築くものであり、互いに好意を持ち、心地よく感じれば、会話は自然と2人の過去や深い内容に向かうはずだ。初デートから過度な打ち明け話で親密になろうとする態度には危険信号が灯る。もちろん、あなたに打ち明け話を迫るのも同様だ。スモールトークを省略して「深い話」に踏み込むのは一見、大胆さの表れのように見える。しかし心理学者からすれば、それは良く言っても「境界線を認識する能力の欠如」だ。最悪の場合、「あなたへの敬意の欠如」を示している可能性もある。
危険信号2. 思い通りにならないと、あなたを否定する
デートが終わりに近づいたとしよう。あなたは楽しい時間を過ごしたが、酔いも回っているし、ほど良い疲れも感じている。家に帰って今夜のデートを振り返りながら、眠りにつきたい気分だ。しかしあなたが別れを告げようとすると、デート相手は「もう一杯だけ」「もう少し一緒にいようよ」「休みたいなら家で休もう」などとしつこく誘ってくる。あなたが何度も丁寧に「また次回にでも」と言ったにもかかわらず、だ。やがてデート相手は苛立ちながら、「夕食をおごったのに、これがお礼?」「なるほどね、こういうつもりだったんだ」などの言葉を投げつけてくる。このような状況もまた、不快に感じるのは自然であるだけでなく、必然である。「健全なコミュニケーション方法を知らない人は何かを依頼するとき、交渉ではなく、相手を操ろうとします」とTaylor Counseling Groupの認定カウンセラー、クリストファー・テイラーは言う。「すべてが自分の思い通りになるわけではないことを学んでいない人は、特にそうです。感情的・知的に成熟していない人は、失望にどう対処すればいいのかわからないことがあります。そのため相手を責めて、思い通りに動かそうとするのです」
また、初デートでのこのような振る舞いには、「見返り主義」も透けて見える。こういった相手はあなたが重要なのではなく、使った時間やお金の見返りが重要なのだ。あなたの「ノー」を受け入れられない相手は最悪な場合、より深刻な人物像──「ナルシスト」である可能性もある。テイラーいわく「ナルシストは批判に弱く、また共感力の欠如が多く見られます」。さらに「ナルシストは失望を恐れ、称賛を求めます。彼らはそんな自身の欲望を満たすために、あなたを強引に動かそうとすることがあります」と続ける。