欧州

2024.11.16 09:00

北朝鮮、大型自走砲「M1989コクサン」をロシアに供与か 輸送中の画像出回る

Shutterstock.com

ロシアが2022〜23年に屋外保管施設から引っ張り出した自走砲約1500両は、ロシアがウクライナで失った自走砲およそ800両の補充に回されたほか、ロシアが全面戦争を始めたあとに新たに編成した部隊に配備された。さらに一部は、精密な加工が必要でロシアの産業界が製造に苦労している砲身など、スペアパーツを取り出すのにも利用された。
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ロシア軍の砲兵は北朝鮮からのM1989を歓迎するに違いない。M1989は大まかに言うと、ロシア最大の自走砲である2S7ピオン自走カノン砲に似ている。ロシアは全面戦争の開始前に2S7をざっと300両運用するか保管しており、これまでにその1割が戦闘で撃破されるか損傷するか、もしくは鹵獲されている。在庫の多くは何十年も野ざらしにされた結果、修復不可能になっているようだ。

M1989に関して、ロシア側にとって問題になるのはその砲弾だ。そこそこの数が使われている170mm砲はM1989しか存在せず、それ用の砲弾を生産しているのは北朝鮮の産業界だけだ。ロシアは全面戦争の開始後間もない頃から砲弾を北朝鮮から購入しているが、ほとんどのサイズの砲弾は国内でも生産を続けている。

だが170mm砲弾はロシアで生産されていない。したがって、M1989は北朝鮮からの砲弾供給しだいで撃てたり撃てなかったりすることになる。エストニアの軍人でアナリストのアルトゥール・レヒは「ロシア軍では兵站がかねて脆弱だった」と指摘し、M1989も「どこかの段階で砲弾不足に直面するかもしれない」と予想している
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北朝鮮からのM1989供与は、ロシアがウクライナに対する戦争を続けていくうえで、同盟関係にある北朝鮮とイランへの依存を強めていることの新たな証拠である。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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