「データセンター関連の人々は現実的で妥協案を選ぶだろう。その結果、最初に恩恵を受けるのは天然ガスになる。原子力も同じカテゴリーに入るかもしれないが、それは短期的な解決策ではない」と、この投資家は語った。
トランプは彼なりに現実的な選択をするだろう。彼が最初の任期中に署名した最後の法案の2020年のエネルギー法を撤廃する可能性は低い。この法案には、温室効果ガスであるハイドロフルオロカーボン(HFC)の厳しい規制や、再生可能エネルギーおよび炭素回収プロジェクトへの資金提供が盛り込まれていた。
「エネルギー分野では、他のどのセクターよりも超党派的な協力が見られる。だから、変わらない部分もあるだろう」と、テキサス大学オースティン校のエネルギー研究者であるマイケル・ウェバー教授は述べた。「多くのエネルギー関連法案は、実際には撤廃されるリスクが少ないと思う」
共和党内部からの反発
トランプはバイデン政権の看板政策であるインフレ抑制法(IRA)を「廃止する」と公言しており、クリーンエネルギー分野に割り当てられた3910億ドル(約60兆円)の未使用分を回収するとも述べているが、これは反発に直面する可能性が高い。「その資金の大部分は共和党の選挙区に流れており、すでに複数の共和党議員が『この法案を撤廃しないでほしい』と公の場で述べている」とウェバー教授は指摘した。ここには、他にも前向きな話がある。トランプが、規制の障壁を取り除くと宣言していることは、クリーン電力を電力網に接続する際の煩雑な法的手続きを減らすことを意味する。「その結果、安価なエネルギープロジェクト、特に太陽光発電が追い風を受けることになる」と、4億ドル以上の資金をこの分野に注ぐクリーン・エナジー・ベンチャーズの共同創業者のデイブ・ミラーは述べた。
さらに言うと、米国がクリーンエネルギーやバッテリー技術、EVの製造から大きく後退することは、中国を利するだけだ。
「中国はこれらの分野ですでにリーダー的地位を確立している。市場や競争を避けて、それらを締め出そうとする試みが、その後の成功につながった例があるだろうか?」とスタイヤーは問いかけた。
(forbes.com原文)