アート

2024.11.27 12:00

文化をつないで10年、パリのアートフェア「Asia Now」創設者の想い

"Asia Now 2023" Art Fair At Hotel De La Monnaie De Paris(Photo by Foc Kan/WireImage)

"Asia Now 2023" Art Fair At Hotel De La Monnaie De Paris(Photo by Foc Kan/WireImage)

──アジアの現代アーティストはどのような面で、特に際立っていると思われますか。また、アジア・ナウが特に世界に紹介したい彼ら特有の価値観とは、どのようなものでしょうか?

彼らには、伝統的、文化的な要素と、世界的にも最先端の芸術的手法を融合させる卓越した力があります。パフォーマンスや新技術、あるいは陶芸や絵画といった伝統的な手法を通じて、アイデンティティ、移住、テクノロジーといった世界的な問題に、独自の視点を提供しています。

ビデオアートに特化したギャラリーとのパートナーシップや、新進アーティストのスマイヤ・ヴァリー、アート・コレクティブ(集団)のBritto Arts Trust(ブリット・アーツ・トラスト)などを招いたことからもご理解いただけると思いますが、アジア・ナウは深く掘り下げたり、厳選した情報をまとめ直したりしたプラットフォームの提供によって、彼らのそうした独自性を紹介しています。

──今回の参加アーティストやギャラリー、出品されたインスタレーションやプロジェクトの中で、コレクターたちに特に注目して欲しいと思われるものはありましたか?

「交流、参加」に着目したプロジェクト、例えば、キュラトリアル・コーポラティブのラディカント(Radicants)が監修し、コミュニティーのつながりを深めたり、その中での共感を育んだりすることに(今回のテーマだった)「儀式」が果たす役割について掘り下げた「Togetherness: Ceremonies of Interdependence」のプラットフォームなどが、特に際立っていました。

ミルナ・バーミアやアイザック・チョン・ワイ、ツァイ・チャウエイ(蔡 佳葳)といったアーティストたちは、特に刺激的な作品を制作しました。また、(ドイツの)カーリエー・ゲバウアーや(台湾の)チーウェンといったギャラリーは、力強いビデオアート・プロジェクトを展開し、ルー・ヤンやシン・ワイ・キンのパフォーマンスも、従来のビデオアートやデジタル表現の限界を押し広げる、重要なイベントとなりました。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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