BlueskyはXより「ツイッター」的
Blueskyのユーザー数が急増するのは、8月にブラジルでXのサービスが停止された後に260万人の新規ユーザーを獲得して以来となる。このときは南米を中心に1日で約50万人が新規登録を行った。Blueskyは、かつてのツイッターに使用感が似ていて、長年のユーザーが毛嫌いする(特にマスクがオーナーとなって以降に導入された)Xの要素の数々がないというだけで、着実にユーザー数を伸ばしている可能性がある。
「Blueskyには『Xではない』という以上のメリットがある」と、前出のノースカロライナ・セントラル大講師のグレアムは言う。「Blueskyでは、有料広告、コンテンツ収益化ツール、返信・投稿の表示の優先順位を上げるための有料プランなどは導入していない。そのため企業やインフルエンサーは、ステークホルダーとより信頼できる関係を築く必要がある。顧客と商取引以上の交流を求めるブランドには、Blueskyが合っているだろう」
創造性とカスタマイズ
Blueskyはすでに、ユーザーによるカスタマイズが可能なサービスとして注目されている。これは機会を提供すると同時に、多くの課題も生じかねない。また、プラットフォームとしてどのように収益を得るのかという疑問もある。今のところ、Blueskyは単にコミュニティーの発展を目指している。グレアムはBlueskyについて「ユーザーがよりニッチなコミュニティーを構築でき、モデレーション、サーバー、コンテンツをカスタマイズできる。特定のニッチなセグメントを狙うブランドにとっては、Blueskyではこうしたコミュニティーを見つけやすいのではないか」と評した。
Blueskyがユーザーにさらに多くのカスタマイズオプションを提供する可能性もある。これは、企業やブランドが潜在顧客にリーチし、オーディエンスを引き付けるために、これまで以上に努力する必要があるかもしれないことを意味する。
グレアムは、ユーザーがハッシュタグをブロックし、モデレーションをカスタマイズし、表示内容をさらにカスタマイズするサーバーやコミュニティーに参加できる点を指摘した。こうしたカスタマイズによって市場セグメントの特定はしやすくなるかもしれないが、一方で、そのセグメントの人々に実際にリーチすることが難しくなる可能性もある。
その結果、企業やブランド、インフルエンサーにとって大きな障壁となるおそれがあり、そうなれば多くの企業は移行先をBlueskyに限定することはできないだろう。
「Blueskyのビジョンは、広告収入やユーザーデータの販売に依存せず、ユーザー間の交流とカスタマイズを優先するプラットフォームだ」とグレアムは説明。「よりシンプルにオーディエンスと繋がりたいブランドやコンテンツ制作者にとっては、Blueskyが安住の地になるだろう。しかし、自社製品をより多く販売したり、コンテンツを収益化したりする方法を模索しているブランドにとっては、そうではない可能性がある。広告費を払ってエンゲージメントを高めたい企業や、コンテンツの収益化やウェブサイトの宣伝を考えているインフルエンサーは、他のプラットフォームを探す必要があるだろう」と語った。
(forbes.com 原文)