2. 認知的な負荷
認知的な負荷とは、パートナーとの関係や家庭内で進行中のタスクや今後果たすべき責任をすべて把握するのに必要な精神的努力を指す。それは、注意を要するあらゆる事柄について細部まで継続的に処理し、頭の中で管理することだ。認知的な負荷は、誰かが問題の存在に気づく前に、考え抜いて解決策を心に留めておくという目に見えない努力として現れる。たとえば、自分に割り当てられた仕事でなくても、またどこにも明記されていない場合でも、特定の請求書の支払期限が迫っていることを思い出して支払いのスケジュールを計画するとか、残り少ない食料や補充する必要のある物品を把握し、次の買い出しの計画を頭の中で練る、といった努力だ。
認知的な負荷は、たとえ自分がすべての仕事を直接処理しない場合でも、全体を監督し、思い出し、ニーズを予測することを意味する。一日中、それも毎日、進行中のプロジェクトや締め切りのToDoリストを頭の中で管理するのと同じだと考えてほしい。
このような負荷のせいで、一方のパートナーは休息やリラックスのための時間ですら精神的に疲弊し、頭がいっぱいに感じているかもしれない。この種の精神労働は内面的で目に見えないため見過ごされがちだが、精神的に大きな余裕を必要とする。認知的な負荷を長期間負い続けて、心から「フリーだ」と感じられる時間がない状態は、慢性的なストレスにつながり、パートナーとの関係にもひずみが生じるおそれがある。
常に「物事を把握している」状態は疲れやすいのだ。物理的に家事を分担していても、一方のパートナーがもう一方より疲れていると感じる理由の一つはここにある。特に、認知的な負荷を負っていないパートナーがこの継続的な責任に無頓着な場合、不満や憤りの原因になる。
3. 心理的な負荷
パートナーとの関係における心理的な負荷には、家族や同居人全員の幸福、ウェルビーイング、快適さについて、ずっと気を配ることが含まれる。皆の様子を心配したり、調和を保とうとしたり、対立を先回りして解決しようとしたりすることが多ければ、心理的な負荷を負っている可能性が高い。心理的な負荷を負っている人はしばしば、家事がおろそかにされることや、子どもの成長、パートナー関係がうまくいっているかどうかに関して不安を感じている。研究チームによると心理的な負荷は、仕事や家庭での疲労、睡眠障害、私生活や家庭生活の満足度の低下につながる。この負荷はおそらく、目に見えない責任の中で最も重いものだろう。
心理的な負荷には、たとえば特定のタスクを自分でやらなければ片付かないとか、人に任せるとうまくいかない、というストレスが含まれる。また、家族の伝統や特別な行事を円滑に進めなければならないことに重圧を感じたり、パートナー関係の基本的なニーズを満たす方法について、もう一方を導く責任を常に感じたりすることも該当する。