北米

2024.11.14 16:00

米FBI、選挙の賭けサイト「ポリマーケット」創業者の自宅を捜査

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Axios(アクシオス)とニューヨークポストの報道によれば、米連邦捜査局(FBI)は11月13日の早朝、分散型予測市場プラットフォームPolymarket(ポリマーケット)の創業者でCEOのシェイン・コプラン(26)の自宅アパートを捜索し、電子デバイスを押収した。この家宅捜索は、ポリマーケットが米大統領選においてドナルド・トランプが勝利するという予測を的中した直後に行われた。

FBIの捜査官は午前6時にコプランの自宅を訪問し、彼の携帯電話などの電子デバイスへのアクセスを要求したとされる。この捜査の対象がコプラン個人なのか、ポリマーケットなのかは現時点で明らかになっていない。

コプランはニューヨーク大学でコンピュータサイエンスを学んでいたが、1学期のみで中退し、2020年にポリマーケットを設立した。このプラットフォームは、選挙結果やスポーツの試合などのリアルなイベントに賭けが行えるブロックチェーンを基盤としたプラットフォームで、ユーザーの多くは暗号資産の支持派であり、トランプの勝利に賭けるベット(賭け)が多いことが示されていた。

ポリマーケットの月間アクティブユーザー数は、21万人を超えており、今年の年初からの取引高は32億ドル(約4990億円)とされている。このプラットフォームは、高速で低コストなトランザクションを可能にするイーサリアムのレイヤー2のソリューションであるPolygon(ポリゴン)を基盤として構築されており、スマートコントラクトを用いて取引を自動化し、セキュリティと透明性を確保している。

ポリマーケットのトレードは、主に米ドルにペッグされたステーブルコインのUSDCで行われるが、7月以降は、デビットカードやクレジットカードを用いた賭けも可能となっている。

「私たちの会社は、インターネット上の騒がしい議論を取引市場に変換し、正確な予測をした人が利益を得る仕組みを構築している」と、コプランは8月のフォーブスのインタビューで述べていた。

ポリマーケットは、ピーター・ティールのファウンダーズファンドやイーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリンを含む投資家から7400万ドル(約115億円)を調達しており、元CFTC(商品先物取引委員会)委員長のクリス・ジャンカルロや統計学者のネイト・シルバーを顧問に迎えている。

ポリマーケットの広報担当者は、アクシオスの取材に対し、今回の家宅捜索が政治的な動機によるものだと主張した。「この動きは、我々が大統領選の勝者の予測を的中させたことに対する、現政権からの明らかな政治的報復だ」と彼は述べている。

ポリマーケットとFBIはフォーブスのコメント要請に応じていない。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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