ビジネス

2024.11.17 14:15

役職定年後の生き方と生成AI

pathdoc / Shutterstock.com

「転」のフェーズに何をすれば良いか?

では、「転」のフェーズに何をすれば良いのでしょうか? 筆者は日本のシニア層にはまだまだ活躍してもらう必要があると見ています。人口減少・少子高齢化の流れの中で日本の経済力が相対的に衰退してしまう未来は皆さんも共有されていると思います。少なくないシニア層の方が高度経済成長期に若くして海外へ飛び出し、日本企業にとっての海外事業をゼロから構築してきた経験は相対的に地盤沈下してきてしまっている日本企業にとって必要としているスピリットであるのは間違いありません。
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しかも、まだまだ人口構成が若い東南アジア諸国やアフリカ諸国なども数十年すれば日本と同様の人口減少とそれに伴う平均年齢の上昇は発生し、シニア層向けのプロダクト・サービス・インフラが望まれるようになるのは間違いありませんので、極めて大きな輸出産業にするチャンスなのです。既にコラム「シニア社会時代の逆タイムマシン経営」などでも主張している通り、ロボティックス・AI・おもてなし(ソフト)の組み合わせは日本に優位となる可能性が高いのです。

シニア層向けのプロダクト・サービス・インフラを産業化し、将来の輸出産業にしていくことを主張している筆者としては、役職定年ごときで挑戦する意欲を失う有能な方々が増えていくのはとても残念な事と感じています。ならば、シニア層の皆さんがどうすれば良いか私見を共有します。

生成AIはアクティブシニア層にとって最高のツール

デジタルツールやクラウドの進化によって、多くの事業を少ない初期投資で始められる時代となりました。クラウドが登場する前はオンライン商取引を開始しようとすると、データセンターの確保からサーバの構築、オンライン商取引ソフトウェアの開発や導入といった少なくない初期投資が必要でした。それが今や数分でオンラインショップを開設できますし、初期費用もわずかで済むようになりました。

加えて、生成AIの登場です。文章生成・画像生成・動画生成・スライド生成など様々な分野特化の生成AIが提案されていて、日々進化しているのは驚くばかりです。ある意味、「作業」に相当することが生成AIによって容易に実行されるようになりました。となると、シニア層の皆さんが「起承転々」の「転」のフェーズで新たな事業を立ち上げようとされているのであれば、生成AIは経験値を持つ皆さんの様なビジネスパーソンが一人で事業を迅速に行いやすくする素晴らしいツールであるのは間違いありません。
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現在、オフィスちゃたにの代表取締役として、企業各社のアドバイザーとして新規事業創造などに関わっていますが、生成AIに関する興味と関心は非常に高く、生成AIの事業化を行おうとして奮闘している企業は少なくありません。生成AIを使えば、事業構想や事業アイディアを思いついた人が自らその構想を昇華させ、実行までも行いやすくなります。

さらにオンライン会議サービスも無料で使えるので東京在住でなくても日本中の企業との業務はできますし、シェアオフィスも大手不動産会社も参入して飛躍的に利用しやすくなりました。会計クラウドや法務クラウドなども安価で利用できますので、CEO一人とあとはAIという構成で事業をする人も増えてゆくと見ています。

人生を「起承転結」から「起承転転転」と考えると、まだまだ色々とやれそうな感じがするのではないでしょうか? 様々な分野で豊富な経験を持つシニア層の更なる活躍で日本経済や日本産業が再興していく事を切に願っています。

過去記事はこちら>>

文=茶谷公之

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