プライベートジェットの駐機場、関東は満機で「北九州に停めてきた」——
——:3のタイプについてはどうでしょう?
柳田氏:3のタイプは、親からの資産で働かずに豪勢な生活が出来る若者達で、「trust fund baby」と呼ばれています。
親所有のプライベートジェットなどで突如やってきて、その直前にレストラン予約や、クラブの貸し切りなどを頼まれることもありました。
とある都内のラグジュアリーホテルの広報の方曰く、コロナが空けてインバウンドが戻ってきた頃、関東のプライベートジェットの駐機場がいっぱいで、北九州に停めてくる人もいらっしゃったそうです。
このタイプが重視しているのは「快適性」。移動や住環境など自分が快適に過ごすためのことであれば、お金に糸目はつけない印象です。
ファッションではブランド物も持ちますが、上下黒のスウェット、足元はビーチサンダル、のような格好もよく見かけます。ブランド物を持つのは見栄や自慢のためではなく、あくまで「好きだから」。
1、2のタイプとは全く傾向が違う、この手の若者が今は多いようです。
乗り物チケット、レストランなどの代行予約も人気
——:1.と2.に共通でいえる需要の高いサービスは?
柳田氏:乗り物チケット、レストランなどの代行予約、また、日程を細かく組んでくれるプランナー的なサービスも人気です。
1.は、ホテルのコンシェルジュを利用するのに慣れているので、車の手配、レストランなどはほぼホテルにお願いしますが、新幹線など乗り物のチケットは両者とも誰も頼める人がいなくて、私がよく代行してました。
日本と海外のラグジュアリーホテルの違い
——:では、日本と海外のラグジュアリーホテルの違いについてはどうですか?
柳田氏:日本と海外のラグジュアリーホテルを比べて思うのは、パーソナルなサービスの柔軟性。
日本の良いところでもあるのですが、規定に沿い過ぎて、柔軟性が低い面も感じます。
私も以前、日本の某ラグジュアリーホテルに宿泊した際、アメリカ人の夫が肉類を一切食べられないため、ソーセージやベーコンの代わりに 別途料金をお支払いするのでスモークサーモンに変更して欲しいとリクエストしたのですが、「決まっているメニューなので」と断られたことがあります。
海外はアレルギーや宗教食など食の多様性が高いので、規定のメニューと全く別物になるくらい変更してもらえるのが当たり前だったりします。
また、アメリカだと24時間オープンではない場合でも、フロントに声をかけると開けてくれることも多いです。
海外のホテル(特に北中南米大陸)はチップが主流なので、お客様の好みを察知し、パーソナライズしたサービスを提供することでさらにチップを稼ぐことができる、という面もあるのかもしれません。
また、この春休みに、カリブ海のアマンに家族で滞在してきたのですが、ラグジュアリーブランドのアメニティーというよりも、エコ重視のアメニティーで、海水に流しても害にならないシャンプーや日焼け止めなどが用意されていました。
日本でも最近は環境に配慮したアメニティが使用されるようになってきていますが、海外はこの傾向がさらに強いです。