ブオンが率いるベトナム最大の財閥であるビングループは、VinFastに最大35兆ドン(約2170億円)の融資を新たに提供し、これまでの融資の約80兆ドン(約4880億円)を優先株に転換することを約束した。
「ビングループは、傘下のEVメーカーの短期的な財務負担を軽減することを目指している」と同社は11月12日の声明で発表した。2017年に設立されたビンファストは、まだ利益を出しておらず、7月に発表した第2四半期の純損失は、前年同期の5億2580万ドル(約815億円)から7億7200万ドル(約1190億円)に拡大していた。
しかし、同社は赤字が続いているにもかかわらず、北米や欧州に事業を拡大しており、中東やインドネシア、インド、フィリピンなどの新たな市場にも参入している。
「ビングループは、今後もビンファストへの大規模な投資を継続する」と、同グループの副会長でCEOのグエン・ヴィエット・クアンは声明で述べている。「我々の目標は、ビンファストをベトナムのEV市場のリーダーとし、世界的な電動モビリティへの移行に貢献することだ」と彼は付け加えた。
ベトナムの首都ハノイに拠点を構えるビングループは、不動産やリゾート開発を中心に、教育事業や自動車産業、さらには農業やヘルスケア事業や小売業といった多角的な事業を展開している。同社を率いるファムは、1993年にウクライナでインスタントラーメンの製造と販売を手掛ける食品会社を立ち上げて財を成し、2000年にベトナムに凱旋した。
そして、2010年にこの食品会社をネスレに売却し、そこから得た資金をグループの拡大に投資し、さまざまな分野で事業を展開するコングロマリットに成長させた。
(forbes.com 原文)