けれど、航空券を購入したあと、どの座席にするかについては、そこまでしっかり考えていないかもしれない。
「向き」という盲点
高いお金を払ってとびきりの座席を確保したつもりだった。最前列で、2席だけのペア席で、ほかの乗客たちから少し離れている。機内でパートナーとゆったり過ごすには完璧だ。ところがいざ搭乗してみると、そこは最悪の座席だった。なんと、座席が後ろ向きなので、空の旅の間ずっと、ほかの乗客全員と向かい合って過ごさないといけないのだ。これは最近、タンザニアの航空会社プレシジョンエアの1Aと1Bの座席を選んだ乗客に降りかかった災難で、その動画はソーシャルメディアで拡散した。
こうした後ろ向きの座席はいくつかの飛行機にあり、たとえば欧州ATR製ターボプロップ機の一部の前方右側席がそうだ。ほかの乗客全員と顔を見合わせる格好はただでさえ居心地が悪いけれど、とくに機内で吐き気を催してしまったときなどには困ったことになるだろう。
覚えておきたいのは、米ボーイングの大型機ボーイング777型機のビジネスクラスにもこうした座席があることだ。なかでも英ブリティッシュ・エアウェイズで使用されている機材の10列目の一部は、後ろ向きなだけでなくトイレのそばでもある。ボーイングの中型機「787ドリームライナー」の一部にも後ろ向き座席がある。
窓がない「窓側」
英紙テレグラフの最近の記事によると、「窓側」なのに窓がない座席の体験例もソーシャルメディアでよく共有されている。有名なのは、アイルランドの格安航空会社(LCC)大手、ライアンエアーが運航する小型機ボーイング737型機の11A、11F、12Fだ。これらの座席は空調ダクトの位置の関係で壁に窓枠がない。— Nuno Marques (@nunomar) September 12, 2022
窓際を希望する人は、座席表を確認するときに、窓の並びが変だったり、そもそも窓がなさそうだったりしないかもチェックしておこう。そうすれば、ソーシャルメディアでよく投稿されているような、座席に着いて初めて窓がないということに気づいたという事態を避けられる。