カリフォルニア州に本拠を置くセシスは、「ユーザーのニーズにリアルタイムで対応する、魅力的でダイナミックで、パーソナライズされたインターフェース」を生成すると謳っている。同社は、開発者がアプリのバックエンドにAIを組み込むことで、これまで不可能だったことを可能にしたものの、フロントエンドはほとんど無視されてきており、アプリの操作方法は昔から何も変わっていないと考えている。
「フェイスブックにログインすると、ユーザーによって表示されるコンテンツが異なる。なぜなら、ユーザー体験は個人の興味、嗜好、情報に合わせてカスタマイズされているからだ。それとは対照的に、多くのビジネス・アプリケーションのUIは、ユーザーによって大差がない」と、グハは述べている。
大きな注目を集めている生成AIのアプリケーションでさえ、UIはエンゲージメントよりも機能性を重視しており、ユーザーは時代遅れに感じるテキストボックスにコマンドを入力していると彼は苦言を呈す。
セシスは、この状況を変えたいと思っている。アプリ開発者は、同社のSaaSソリューションを使うことで、ユーザー体験を従来に比べてはるかに高度にパーソナライズしたフロントエンドを組み込むことが可能になる。
「ソフトウェアが多機能で複雑になるにつれ、従来のパーソナライゼーションの手法では、リアルタイムでダイナミックなカスタマイズを行うことが困難になっている。我々は、AIエージェントを真に顧客中心主義なものにするため、インターフェースを静的で堅苦しいものから、インタラクティブで個別に最適化されたものにし、エクスペリエンスを魅力的にしていきたい」と、グハと一緒にセシスを創業したパリクシト・デシュムクは語った。
アプリ開発者たちがユーザーのエンゲージメントや売上拡大を巡って競争する中、セシスは、UIのパーソナライゼーションを製品に組み込む動きが活発化していると確信している。
300社がウェイトリストに登録
「我々は、AIの未来のためのフロントエンド・インフラを構築している。当社のプラットフォームを使うことで、開発チームはAIを搭載したダイナミックなインターフェースの設計、プロトタイピング、立ち上げのプロセスを迅速化することができ、顧客との接し方で競争力を高めることが可能になる」とグハは言う。セシスは今年初めに設立されたばかりで、まだ収益を上げていない。同社は現在、開発フェーズに登録した12社の顧客と製品セットを進化させている。創業者たちによると、300社がウェイトリストに登録しているという。