中国も手を打っているようだ。中国政府は8日から韓国を含む一部の国を対象に短期滞在のビザを免除すると発表した。これには韓国政府が驚いた。尹錫悦政権は米韓同盟第一主義で、中韓関係がぎくしゃくしていたからだ。韓国政府関係者は「我々が驚いたくらいだから、北朝鮮はもっと驚いただろう。挑発を続けるなら、中国は韓国に接近するぞという脅しのメッセージかもしれない」と話す。
米政府系放送局「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」は4日、北朝鮮でコメの価格が1キロあたり1万ウォンまで上昇したと伝えた。北朝鮮当局が最近、労働者の給与を大幅に引き上げたことに伴うインフレ現象かもしれないが、通常5千ウォンあまりのコメの価格が収穫期直後に上昇するのは異例のことだ。背景には中国による食料輸出統制があるのかもしれない。国際機関は毎年、「北朝鮮で100万トン程度の食料が不足する」と報告してきたが、北朝鮮は生き延びて来た。背景には中国との密貿易や国家に申告しない土地での闇農業などがあったとされる。中国が食料輸出に制限をかければ、北朝鮮は窮地に陥る。
金正恩氏は今、来年1月に誕生するトランプ米政権をすがる思いで見つめているだろう。トランプ氏は大統領選前から、「(自身が大統領なら)1日で(ウクライナでの)戦争を終わらせるだろう」と語ってきた。早期停戦になれば、北朝鮮軍も損害を増やさずに済む。ただ、米国第一主義のトランプ次期政権は、朝鮮半島防衛に半身の姿勢になるかもしれない。韓国内では早くも「独自核武装論」の声が再び高まりつつある。北朝鮮が核実験に踏み切れば、朝鮮半島の混乱に更に拍車がかかるだろう。
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