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2024.11.14 15:30

「未来への予見」が利益の源泉─ダイフクのサステナビリティと技術革新

下代 博|ダイフク代表取締役社長

下代 博|ダイフク代表取締役社長

2024年10月24日発売の「Forbes JAPAN」12月号では、「新・いい会社100」特集と題して、全上場企業対象、独自調査・分析で作成した、「ステークホルダー資本主義ランキング」「自然資本ランキング」「脱炭素経営ランキング」「サプライチェーンランキング」「リスキリングランキング」などを紹介している。それぞれのランキング上位企業、計8社のCEOインタビューや早稲田大学商学部教授のスズキトモ氏、東京大学大学院経済学研究科教授の柳川範之氏らのインタビューコラム等も掲載している。
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2024年版「自然資本ランキング」第3位に輝いたのは、人手不足が深刻化するなか、モノを自動で動かす技術に強みをもつダイフク。サステナビリティも技術革新も、すべては50年ほど前の「先見の明」から始まった。



──多くの企業が人手不足の解消や生産性の向上に試行錯誤するなか、業界を問わずモノを動かす技術(マテリアルハンドリング。以下、マテハン)が活用されている。

下代博(以下、下代マテハンの原点は人々を重労働や単純作業から解放するという思いにある。当社は創業以来、機械にできるものは機械に任せて、人は人にしかできないことに従事すべきという考え方を重視してきた。当社は工場の生産ラインや配送センターなどで「モノの流れ」を自動化するシステムを担っている。自動車や半導体工場、通販やスーパーの配送センターなどあらゆる場所で我々のマテハンシステムが作業の自動化や効率化に貢献している。
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──取引先などの温室効果ガス排出量(Scope3)の削減が求められるなか、システム納入先企業からの脱炭素の要請にどう答えているのか。

下代:我々の製品は電力で動く。製品の稼働時の消費電力削減はもちろん、製品の生産過程では再生可能エネルギーの利用に努めており、2022年11月には当社のマザー工場「滋賀事業所」で使用する電力をすべて再生可能エネルギー由来へと切り替えた。また、21年に策定した「環境ビジョン2050」を24年に、より高い水準で社会の要請に応えるため改定した。27年には日本国内の工場やオフィスでの再生可能エネルギー使用率100%を見込んでいる。

一方、課題が残るのはダイフクグループ全体でのCO2排出量の削減だ。Scope1・2については30年の時点で18年比60%削減を目標に掲げているが、道半ばだ。当社は売上高の7割近くを海外が占める。グローバルで再エネ化や脱炭素を一層進めなくてはいけない。

──自然資本への取り組みは。

下代:滋賀事務所では75年の操業開始以来、自然環境を守ることに注力してきた。120万平米ある敷地内の生態系を調査したところ、1000種以上の在来種のほか、絶滅危惧種や希少種も生息していることがわかった。生物多様性の保全に取り組みつつ、緑化や無農薬による緑地管理を積極的に推進している。
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文=瀬戸久美子 写真=ヤン・ブース

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