「息子といっしょにこの本を読みました。二人の会話が弾み、息子についてたくさんの発見がありました」(7歳児の親、シンガポール)
「とっても刺激になりました。私もカレンのように書いてみたいです」(7歳児・国不詳)。
マレーシア初の起業家精神あふれるインターナショナル スクール「Dwi Emas International school」に通うカレン・チュー(Karen Chew)さんが著した“What can an 8-year-old tell you?”(8歳があなたに何を語ることができるか)という英語で書かれた本は、各国で読まれ、反響を得ています。
4歳ごろから日記をつけていたカレンが出版社のオーナーと会う機会があり、「子どもは大人が書いた本を読んで育つけど、子どもが書いた本を読んで子どもが育つ世界をイメージできますか?」と投げかけて、2023年10月に出版されました。カレンが8歳のとき書いたものを10歳のときに編集した本書は、11歳の誕生日の直前に発行されました。
カレンは本書でマレーシアでの「最も若い著者」となったほか、ユース・アチーブメント認定「マレーシアで最も若いノンフィクション著者」となりました。
筆者が本書と出会ったのは、世界的な起業家支援組織の集まり「エンデバー」でのことでした。マレーシアの教育系企業「ACE AdVenture」のグローバルCEOであるスチュワート・パットン氏と話が弾み、本書をプレゼントしていただきました。国を超えたつながりの大切さをあらためて実感しています。
「ワールドスクーラー」として学ぶ8歳の胸のうち
カレンは、香港で育ち、マレーシアのインターナショナルスクールに通い、かつワールドスクーラーとして各国で学んでいます(ワールドスクーラー:世界を親子で旅する育て方、サポートし合うコミュニティも育っている)。
「本全体を通して、実際のカレンを感じることができる。彼女が使う言葉と文は、純粋で、あたかも目の前で話しているようだ」(英国の医師)との読者の声が表すような文章です。子どもらしくて(大人がイメージする)子どもらしくない、とも言えるかもしれません。素直な子どもの声であり、また子どもが大人に言わないような気持ちやトピックが詰まっています。もちろん大人への投げかけも。
本書は、ワールドスクーラーの話で幕を開け、20の章と18のストーリー、そして「まえがき」「あとがき」にあたるもので構成されています。世界を旅しながら学ぶ8歳はこんな風に感じるのかと印象づけられる内容です。
20の章では、「学校での一日」、「私にとっての学校」、「父兄面談」、「理想の一日」など定番的なテーマはもちろん、「家族で一番の早起き」、「より一層がんばる」、「ブログやってます」など前向きな子どもパワーを感じる章、その一方「最も恐れるもの」、「一番大変だったこと」、「時計を戻せたら」などネガティブなことに向き合った章があり、体験したこと思ったことについて自分の言葉で表現しています。