経営・戦略

2024.11.19 16:45

「上司に逆らえない」職場暗黙ルールの対処法

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多くの職場には明文化されない暗黙の掟が存在する。古くは女子社員がお茶くみをするなど、社則にはないものの抗えない空気に強要される業務や行動だ。近年ではコンプライアンス上問題視されるものは消滅ししつあるが、根強く残るものもある。
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Job総研の運営による、キャリアや転職に関する「ギモン」の相談サービス「JobQ Town」は、「はたらく現場での疑問」を集めユーザー同士で話し合う定期企画「Job weeQ」をにて、JobQ Town登録者で20代から50代の現役の男女を対象に「職場の暗黙ルール」に関するアンケート調査を行った(投稿数805件)。それによると、職場に納得のいかない暗黙ルールがあると答えた人は88パーセントにのぼった。

どんな暗黙ルールがあるかを聞くと、トップは「上司の言うことが正しい」。2位以下は「新人が◯◯をして当たり前」、「休日でも連絡を返す」、「旅行や出張帰りはお土産を持参」などと続く。とくに驚きがないのは、これらは企業の個別の問題ではなく、日本全体に当たり前に染みついた悪しき企業文化そのものだからだろう。

また、暗黙ルールに関する「ギモン」のなかで、アンケート回答者の共感を多く集めたもののトップ4は、「上司の考えに意見が言えない雰囲気がある」、「新人は定時より早めに出勤する」、「土日出社が出世や昇給に影響する」、「仕事ができない上司のせいで残業が増え注意される」だった。

これらの「ギモン」には多くの回答が寄せられたが、なかでも多かった上司に意見が言えない件への回答は、「上司に従う」、「上司の考えの背景を知る」、「上司を尊重し誠実に意見を伝える」、「周囲の意見を知る」の4つに大きく分類され、それぞれに有意義な意見が集まった。

上司に従う派の人たちからは、上司はその上司との板挟みで辛い立場だ、失敗して責任を取るのは上司、あなたが気づいていないメリットが上司には見えているなど、上司に同情的な意見が寄せられた。

上司の考えの背景を知る派からは、上司の考えの背景を把握することで自分が知らなかった前提がわかる、上司の判断の理由を聞いて問題を俯瞰することが大切、自分の考えが正しいかどうかとは別に上司の描くビジョンを聞いてみる……と、ここでも建設的な意見が聞かれた。
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上司を尊重し誠実に意見を伝える派は、上司の意向を尊重して従いつつ具体的なデータを示して提案する、否定的な態度ではなく誠実に自分で計算した利益見込みを丁寧に説明するなどと助言している。

周囲の意見を知る派は、他部署の上司に相談すると上司同士のやりとりで事態が打開する可能性がある、同じ疑問を持つ同僚と話し合い、上司に聞いてもらう、などの意見を示している。

Job総研が実施した「上司と部下の意識調査」では、上司の9割が部下に忖度した経験があり、「自身の考えや提案を積極的に伝える」のが部下の理想像とする上司が多いことが示された。「ギモン」への意見からも、上司に逆らえないという暗黙ルールは、じつは単なるコミュニケーション不足からくる疑心暗鬼なのかもしれない。誠実に話し合うことが、その他の暗黙ルールの打開にもつながるはずだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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