アンソニー・アルバニージー首相は記者会見で、この年齢制限は、ソーシャルメディアが若者に与える影響に対する懸念——とくに危険なコンテンツに晒されることやボディ・イメージなどの問題——の高まりに対応するものだ、と発表した。アルバニージー首相は、ネット上での子供の安全に不安を感じる親たち数千人から話を聞いたとも述べた。
しかし、この法律案は施行に疑問を投げかけている。労働党政府は制限を設けることを約束しているが、フェイスブック、インスタグラム、ティックトックなどのプラットフォームにユーザーの年齢を確認させるための明確な仕組みを示したわけではない。
考えられる方法としては、生体スキャンや政府のデータベースを利用した年齢確認などがあるが、これらにはプライバシーや実用上の懸念がある。新法が制定された場合、「ネット安全コミッショナー(eSafety Commissioner)」はこの法律を執行する責任を負い、現行の最高罰金100万ドルを上回る最新の罰則が科されることになる。
オーストラリアはまた、年齢保証技術の選択肢を探るため、連邦政府の資金提供を受けて、顔認証や信用調査などのアプローチを検討する試験を行っている。野党は11月までに法案を可決するよう政府に圧力をかけているが、試験の結果は保留されている。デービッド・コールマン大臣は11月までに法案を可決するよう野党に圧力をかけており、この試験の結果にかかわらず迅速に事態を進めることを要求している。
メタ社はじめテック企業はこれらの要件について懸念を表明している。メタ社の安全責任者(VP, Global Head of Safety at Meta)アンティゴーン・デイヴィス氏は、現在の年齢保証技術は、身分証明書や生体認証データなど広範な個人データを要求することが多く、プライバシーリスクにつながる可能性があると述べた。デイビス氏は、個々のアプリよりもむしろアプリストアの方が年齢チェックを実施するのに適しているのではないかと示唆している。
※本稿は、英国のテクノロジー特化メディアWonderfulengineeringからの翻訳転載である。