著名な業界アナリスト、ミンチー・クオの最新レポートによれば、アップルは「可変絞り」制御を備えた一連の新しいカメラレンズを発表する準備を進めているという。これはiPhoneシリーズでは初の試みとなる。クオは、この技術はSunny Optical(サニーオプティカル)が主要サプライヤーとなり、競合のLargan Precisionがそれに続くと予測しているが、2026年に発売予定のiPhone 18から搭載される見込みだという。
これらの新しいレンズは、幅広い照明条件に適応することでiPhone 18のカメラに大きな品質向上をもたらし、同時にフォーカスやシャープネスに対するクリエイティブなコントロールを強化する。可変絞りレンズは、DXOMARKランキングでトップに立ったファーウェイのPura 70 Ultraのような競合製品で大成功を収めている。しかし、サムスンはGalaxy S10シリーズで採用していた同様のデュアルアパチャー機能を、Galaxy S20シリーズでは固定絞りレンズに戻している。
では可変絞りとは何で、なぜ必要なのだろうか?
可変絞りをアップルが採用する理由
現在のiPhoneシリーズを含むほとんどのスマートフォンカメラレンズは、絞りが固定されている。iPhone 16 Pro Maxの場合、その絞り値はf/1.78と記されているが、簡単に言えば、この値は写真を撮る際にレンズがセンサーにどれだけの光を通すかを示している。「f/」の後の数字が小さい(例えばf/1.4)の場合、レンズの開口部(絞り)が大きく、光が多く通過することを意味する。一方、数字が大きい(例えばf/8)の場合、センサーに届く光の量を制限する小さな絞りを示す。
広い絞りを選ぶと、各写真でより多くの光を取り込めるため、暗い場所でのカメラ性能が向上する。一方、光が多すぎるとセンサーが飽和してしまう。明るい光の下では、広い絞りはかえって不利になる。光が多すぎると、写真の明るい部分が真っ白になり、すべての細部が失われてしまうのだ。
このような場合、絞りのサイズを小さくすることで、光のレベルを適切な範囲に抑えることができる。私たちの目も同様の機能を持っており、暗闇では瞳孔を大きく開き、明るい光の下では針の穴のように縮めている。
絞りを変えることには、もう1つ重要な効果がある。それはシャープネスとフォーカスに影響を与えることである。一般的に、最も広い絞りでは、中程度に絞った場合に比べて画像の鮮明さが劣ることがある。また、非常に広い絞りでは、カメラから特定の距離だけが鮮明に焦点が合い、前景や背景がぼやけてしまう。なおこのボケ効果はしばしば(しかし常にではないが)望まれているものでもある。
この効果は、人間の目でも見られる。物体や小さな文字をよりはっきりと見るために目を細めるときがそれだ。
アップルの可変絞りレンズにより、カメラは撮影条件に合わせて絞りのサイズを調整できるようになる。これにより、暗い場所での画像品質が向上し、明るい光の下でもハイライトがよく制御されたシャープな写真が撮れるようになる。また、ユーザーが自分の写真の見た目を創造的に決定できるよう、絞りを手動でコントロールする可能性も開かれる。
残念ながら、その成果を見ることができるのは、2026年にアップルがiPhone 18シリーズを発売するまでお預けだ。
(forbes.com 原文)