ラルフローレンの第2四半期(7〜9月)決算は引き続き好調だった。全地域で成長し、平均小売単価も上昇したことが示され、世界の高級ブランドが直面している消費減速をものともしない内容だった。
デザイナーのラルフ・ローレンは、ニューヨークのマディソンアベニューにある本社からほど近いところに立地する百貨店ブルーミングデールズでネクタイを販売して、自身の名を冠したブランドをスタートさせた。そして同ブランドはここ数年で最高の業績を達成している。
欧州とアジアの業績が好調で、加えて米国内の年末商戦の売上も期待できるとみている。他の多くの高級ブランドとは違い、特に中国での事業拡大を進めており、前年を上回る売上を維持している。
年間売上高については、為替の変動を除き、従来の2〜3%増から3〜4%増へと上方修正した。
第2四半期の純利益は1億4790万ドル(約225億円)で、前年同期の1億4690万ドルからわずかに増加した。売上高は17億2600万ドル(約2635億円)で、アナリスト予想の16億8100万ドル、前年同期の16億3300万ドルを上回った。売上高は北米で3%増、欧州で7%増と好調で、予想されていた卸売部門の落ち込みを好調だった消費者直販(D2C)が補った。
米国での卸売への依存を減らし、特にアジアで店舗を増やして流通網を固めたことが貢献した。また、社長と最高経営責任者(CEO)を兼任しているパトリス・ルーヴェによると、マーケティング予算を総売上の7%に倍増させたことで、「さまざまなプラットフォームでこれまでよりも幅広くアピールする」ことができるようになったと語った。
既存店の売上高は2桁増
ラルフローレンはここ数年、店舗とオンラインで商品やコンセプトのアピール、消費者体験を向上させる取り組みを続け、品質とデザインに投資してきた。これにより、より高額な新製品を投入できるようになった。既存店の売上高は世界全地域でプラスとなり、10%増となった。北米の既存店売上高は6%増で、9%増となった実店舗の売上がオンライン販売の2%減を補った。
だが主役はアジアだった。売上高は9%増の3億8000万ドルで、既存店売上高は11%増、店舗数は10%増えた。オンライン販売は19%増だった。
ラルフローレンの売上は増加傾向にある。というのも、部分的には中国ではまだ成長する余地があるからだ。他の多くの高級ブランドの中国の売上は全体の20%前後であるのに対し、ラルフローレンは現在約8%にすぎない。同社は引き続き中国事業を拡大させる計画だ。
株価にも好影響
好決算は株主にとっても良いニュースだ。ラルフローレンの株価は、決算発表直後に急騰した後、若干下落したものの、この1年で大幅に上昇している。ルーヴェは「当社は長期的な戦略を着実に実行し、世界的に不安定な経営環境が続く中、歴史あるブランドにエネルギーと情熱を注いでいる」と語る。「第2四半期の各地域の好調な業績は、多様な成長の原動力の回復力と消費者基盤の強化を浮き彫りにしており、極めて重要な年末商戦を前に通期の業績見通しについても自信を持っている」
ラルフローレンの第2四半期末の現金および現金同等物の残高は17億ドル(昨年同期は15億ドル)、負債残高は昨年同期と同じ11億ドルだった。
(forbes.com 原文)