「航海中、隊員らは孤独になり、上層部が承認した良い代替手段がない限り、規制を回避する方法を探すだろう。軍は孤独問題に対処するために会話型の生成AIを導入して安全なバーチャルAIのガールフレンドをあてがうことができる。あるいは、隊員が安全なチャンネルを通じて女性と連絡を取ったりデートしたりできるよう、身元を確認した女性を集めることもできる」とエンダールは言う。
スパイ活動のツールに
デートアプリの危険性を隊員に警告しようとする中国の動きは、米海軍で近年、中国など外国のためにスパイ行為を行ったとして数人の隊員が起訴されている中でのものだ。中国の工作員が米軍の隊員をリクルートしようとする一方で、米国から同様の仕返しを受けることがないよう取り組みが進められている。
「中国の軍事といえば、強力な軍艦や空母、極超音速兵器が取り上げられることが多い。だが、軍を支える隊員について語られることはほとんどない」と米外交専門誌ナショナル・インタレストのエグゼクティブ・エディターであり、公共政策シンクタンク「センター・フォー・ザ・ナショナル・インタレスト」の上級ディレクターであるハリー・J・カジアニスは言う。
「中国軍の隊員らの弱点などを知ろうとする外国勢力にとって、中国のデートサイトを利用するのは1つの方法だ。そのため、中国は賢明にも隊員らを守ろうとしている」
中国共産党もまた、インターネット規制ではデートサイトなどの利用を止められないことに気づいている。止められたとしても、そうしないことを選ぶかもしれない。
「中国は米国と比較にならないくらい専制的で、米軍よりも簡単に対策を実施して強制することができる」とエンダールは言う。「だが、士気を削ぎ、戦闘効率を低下させるほど過度に締め付けるかもしれない」と指摘した。
(forbes.com 原文)