Web3の予測プラットフォームであるポリマーケットの選挙絡みの取引高は、10月に過去最高の25億ドル(約3850億円)に達し、11月の最初の5日間だけでさらに5億7700万ドルが投じられていた。ここに、1月から9月までの取引高を合わせると、約32億ドル(約4900億円)相当の賭けが今年、大統領選までの間にこのプラットフォームで行われていたことになる。さらに、ポリマーケットの月間アクティブユーザー数は、21万人を超えていた。
ポリマーケットのような分散型の予測市場は、ブロックチェーンの活用例として注目されており、費用対効果が高く、世界中からアクセス可能で24時間取引ができるという利点がある。しかし、このプラットフォームは、米国内での法的立場が不明確であることに加えて、ウォッシュトレード(取引量を水増しするための自己取引)などの課題にも直面している。
ポリマーケットは、選挙結果やスポーツの試合などのリアルなイベントに賭けが行えるWeb3のプラットフォームで、ユーザーの多くは暗号資産の支持派であり、トランプの勝利に賭けるベット(賭け)が多いことが示されている。ドル建ての賭けを提供するKalshi(カルシ)やPredictIt(プレディクトイット)、Interactive Brokers(インタラクティブ・ブローカーズ)などは、トランプの勝利の確率をそれぞれ57%、55%、58%と見積もっていたが、ポリマーケットにおけるトランプの勝率は、それらを上回る62%だった。
さらに、投じられる金額の規模も、ポリマーケットが、TradFi(伝統的金融)に分類される他のプラットフォームを上回っている。今年の大統領選には、カルシで2億3500万ドル、プレディクトイットで4400万ドルが投じられていたが、ポリマーケットに投じられた32億ドルは、それらを大きく上回っていた。
また、ここで注目すべきは、ポリマーケットの新規ユーザーの多くが、このプラットフォームで賭けを行うために初めて暗号資産のウォレットを開設した可能性が高い点だ。これは、暗号資産の普及を促す、前向きな動きと言える。