「ファンド」の儲け方とは違う
──通常のファンドは買い取った会社を売却し、その売却益で収益を出します。しかし、SoFunは株を買ったあと、その株を売却しません。
手操:ファンドとかだと、比較的規模の大きい会社で「ここをテコ入れすればそこの会社が買ってくれるんじゃないか」という算段で投資をするのが基本です。対して、SoFunは基本的に永続保有することを前提としています。
小さい規模の会社や、地方の会社を相手にしようとすると、永続保有ということをやっていかないと、リターン的にもビジネスとしての社会的インパクトとしても、小さいものになってしまうと考えています。
──SoFunのグループに入る事業承継に悩んでいる会社は、どういった規模の会社が多いのでしょう?
吉川:個人で買うにはちょっと株価が高すぎ、ファンドが相手にするには規模が少し小さすぎる。この層が地域を支えている企業です。そこをしっかりとテコ入れし、地域の中核の企業に育てていくことが必要だと思います。
──SoFunとしての収益はどのように回収しているのでしょうか。
吉川:会社の配当や、SoFun本体でも資金調達をしています。僕らもそれの返済を当然しないといけません。金融機関と投資家には長い目で見てもらい、10年スパンなどで資金調達をしています
SoFunは、新たに滋賀県にある金属加工の会社を事業承継し、創業45年の企業に36歳の新社長が誕生した。すでに鹿児島と岡山にもSoFunの子会社が設立され、さらに多くの承継企業が予定されているという。
SoFun◎3人の地方銀行出身者が、「中小企業が再び輝く会社を作り、日本をおもしろくする」というビジョンを掲げて創業した、中小・零細企業を対象に第三者事業承継を支援する企業。後継者候補を発掘・育成するだけではなく、事業承継型投資を行ってチーム型経営を通して承継先企業の成長をサポートする。新しく承継した経営者によって事業成長が加速させ、事業変革によって経営再生を実現している。
(本記事は、事業承継総合メディア「賢者の選択 サクセッション」の記事前編、後編を編集しています。)