「日本を面白くする」という願いを込めた「SoFun」という社名で、後継者難に悩む経営者の思いに応える会社だ。事業承継に悩む地域の中小企業の株式を自らが買い取り、全国から応募してきた後継者候補と共に経営を行うことで、既存のM&Aコンサルとは違った「当事者として、顔の見える」透明性の高い事業承継を次々に実現してきた。
日本の事業承継に新しい流れを作り出す挑戦について、代表の吉川友、取締役CSOの手操圭介、取締役の平井裕章に聞いた。
事業承継総合メディア「賢者の選択 サクセッション」から紹介しよう。(転載元の記事はこちら)
SoFunのバックグラウンドは地方銀行
──SoFunは、事業承継をサポートする会社なのでしょうか?吉川:いいえ、サポートする会社ではありません。一緒に主体的に事業承継を自身が引き受けるという形です。
──お三方は銀行員という同じバックグラウンドをお持ちなんですよね。
平井:私は銀行員時代にファンド運営に携った際、ベンチャーへの出資や、6次産業化の事業体を作って出資・育成などにも携わっていました。規模は小さいですが、ベンチャーキャピタルファンドもしていました。
手操:私はコンサルティング部隊の立ち上げをする中で、事業承継にも400〜500件ぐらい関わっていました。どっぷりです。その後、中小企業支援の人材紹介事業やデジタル化の支援の企画・運営などをしていました。
吉川:私は15年間銀行に務め、現場で支店の渉外係として滋賀・京都・大阪の中小企業の融資業務や事業承継のコンサルティング、M&Aの仲介などを現場でやっていました。
世間にあふれる雑なM&A、感じた違和感
──事業承継の手段の1つとしてM&Aがあります。銀行の現場で実際に見たときにどうでしたか。吉川:SoFunの起業の原点に関わる部分です。経営者の高齢化が進む中、事業承継の流れが非常に顕著になり、M&Aがポピュラーになってきました。でも、お金が非常に生まれる市場なので、M&Aコンサル会社をはじめ、いろんな会社がどんどんこの市場に参入してきている状況です。
ただ、地方の小さい企業はなかなか相手にされない。お金にならないから後回しにされる現実があります。
小さい企業のポテンシャルや事業価値がないがしろにされている部分を非常に感じています。かつ雑なM&Aが非常に多い。
──どのように雑なのでしょうか。
吉川:M&Aした会社を買ってくれる同業者をリストアップして、とりあえず投げるような戦略とはほど遠いM&Aが現実に起こっています。M&Aは、終わったあとが一番重要ですが、そこでのびのびと再成長する会社をまったく見たことがないです。
これはただの「数減らし」になっている。日本経済に何か意味あるのかな、というのをずっと疑問に感じていました。